現代文の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第1回)「現代文ができない3つの要因」

皆さんはじめまして。七隈国英塾の杉久保と申します。

恐らくこのページを見ている生徒さんたちは、現代文が苦手だったり、キライだったりするのではないかと思います。そこで、第1回のテーマは「現代文ができない3つの要因」です。

18年間指導をして分かったのですが、生徒の皆さんは学校で当たり前の基本さえ教えてもらってないなあと感じます。良い参考書が売れたり、苦手な子が多かったりするのも仕方ないことだと思います。

それでは、七隈国英塾の作法にのっとり今回の要点を3行でまとめます。

①難しい漢字やカタカナ英語の意味が分かってない(現代文が全くできない理由)
②論説文でよく書かれているテーマに詳しくない(得点が安定しない理由)
③正しい読み方、解き方のフォームが身についてない(成績が伸びていかない理由)

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

次回:現代文(第2回)「小説文の読み方」

1.難しい漢字やカタカナ英語の意味が分かってない(現代文が全くできない理由

なぜ語彙力は必要なのか

「主観・客観」、「対象・対照・対称」、「相対・絶対」、「抽象・具象、象徴」、「普遍」、「自明」、「因果・相関」、「帰納・演繹」、「逆接、逆説的」
「アイデンティティー」、「アカデミック」、「イデオロギー」、「カタルシス」、「ジレンマ」、「プラグマティズム」、「ポストモダン」。

どこかで見たことのある言葉だと思います。現代文で使われそうな言葉をいくつか取り上げてみました。みなさんいくつ分かったでしょうか?

言葉の意味をたくさん知っていて使える力のことを、語彙力(ごいりょく)と言います。

現代文が全くできない生徒さんは、ほとんど語彙力不足が原因です

教える方も大変です。論説文だけでなく小説文でも、いちいち語彙の説明をしなければなりません。

しかし、できない生徒さんはここから始めるしかないのです。

では、なぜ、難しい言葉の意味を知っていなければならないのでしょうか。

論説文では難しい言葉を使って、難しく専門的な事柄や概念(がいねん)を論じます。難しいことは難しい言葉を使ったほうが便利です。書くほうも楽ですし、読むほうも楽です。

伝えたいことを正確に伝えられます。しかも圧倒的に速く伝えることができます

ようするに、現代文において難しい言葉を知らないといけない理由は、知らないと難しい文章が理解できないからです。

語彙力がボトルネックになっている

図1

語彙力がとぼしいのは、かなり危険な状態だと思ってください。

図1を見てください。

1はビンの首みたいな部分が邪魔して雨があまり入っていませんよね。

それに対し、2には雨がいっぱい入るでしょう。

ビンの首みたいに雨の入る量を限定するもののことをボトルネックと言います。(ボトル=ビンの英語、ネック=首 ネックレスとかは知ってますよね)

現代文ができないのは語彙力がボトルネックになっていることが、とても多いです。

現代文がものすごくできない生徒さんは、だいたいが語彙力の不足が原因です。新しい知識や概念が身についていかない、言い換えると、雨が入っていかないのです

また、現代文ができる生徒さん(偏差値60前後)も語彙力が壁になっていることが割と多いです。

語彙力を高める具体的な方法

まず、基本となるのは、問題を解いてみて知らない語があったら自分で調べることです。

語彙力だけは今までのやってきたことの積み重ねなので、自分の力で取り戻すしかないです。今はスマホという便利な道具があるので、読むことができなくても、自分の力で調べることができます。

自分で調べる習慣を身に着けることが基本となります。

次に、手っ取り早い方法は、参考書を使って重要な言葉を覚えることです。

①ことばはちからダ!現代文キーワード(河合塾シリーズ)
②田村のやさしく語る現代文―代々木ゼミ方式(田村秀行先生)

①は現代文を読むのに必要な語彙の解説を詳しくやっていますので、まずはここから始めましょう。現代文が苦手な生徒さんにはこれをすすめています。

②はいくつかの語句の解説も分かりやすくしてくれています。また、現代文の読解に必要な指示語の使い方や、接続語(接続詞、接続助詞、副詞)の使い方も分かりやすく説明してくれます。

接続語と指示語に関しては、第3回「論説文の読み方②接続語」第4回「論説文の読み方②指示語」でやっていく予定です。

論説文の読み方をまとめた記事はこちら★
現代文(第3回)「論説文の読み方①接続詞」

現代文が得意な人(偏差値60前後)も基本の復習に使えますし、演習問題もちょうど良い難易度と思いますので、演習として使えると思います。

この章のまとめ
・難しい言葉を使うと、難しいことを正確に速く伝えることができる
・難しい文章を読むのには語彙力が不可欠である。
・語彙力不足が国語学習のボトルネックである。
・難しい言葉を自分で調べる習慣を身に着けよう(最重要)。
・手っ取り早く、参考書を使って重要な言葉を覚えよう。

2.論説文でよく書かれているテーマに詳しくない(得点が安定しない理由)

なぜテーマに詳しい必要があるのか

論説文で語られるテーマ(話題、議題)は多いです。

文化、文明、文学、言語、芸術(美術、音楽、建築)、現代社会、近代社会、大衆社会、経済、法律、哲学、心理、教育、科学、技術 生命、倫理、人間。

自分で並べていて気付いたのですが、大学の文系学部みたいですね。

これらのテーマについて現在どのようなことが論じられているか、あるいは論じられていたのかを知っておくことはとても重要です。

小学生の中学受験問題ならば、その道の専門家が初めての人にも分かるように、やさしく、明確に書いてくれています。

初歩的なことでも伝えるべき内容をしぼって、文章の流れがきっちりしてるので、きちんと読解できれば知らない人でも読めるようにできています

しかし、高校生の大学入試問題では

論じられているテーマについてある程度詳しいことが前提になります。

なぜならば、

筆者はその分野で論じられている事とは、異なることや今までに無かったものを主張することが多いからです。

筆者は独自の主張をします。

使う言葉も一般的な意味ではなく、狭義(きょうぎ、特殊、特別)の意味で定義(ていぎ、限定)します。その文章でだけ使える言葉を筆者が作り、その言葉を使って、特別で高度なことを論じるのです。

ちなみに、その文章だけで使える言葉のことを、出口汪(でぐちひろし)先生作者言語と定義しています。

出口汪先生はとても多くの参考書を出されていますが、小学生や中学生におすすめなのは

システム中学国語 論理入門編(出口汪 でぐちひろし先生)

です。

話を戻します。

現代文でよく論じられるテーマに詳しくなければ、より特殊で高度な筆者独自の主張を読み取るのは厳しいと思います。

初見のテーマが出題されると、読むのにものすごく時間がかかってしまいますし、正答率もよくありません。

このようなテーマに詳しくない、関心がない、あるいはまったく知らないということは

例えるなら、難しい論述文を読む土俵にすら立てていないということなのです。

様々なテーマに詳しくなろう(=得点を安定させよう)

論説文の得点が高かったり、低かったりと安定しないのは、

特定のテーマだけやたら詳しい、あるいは逆に、まったく興味がない

といったことが原因の1つであると私は思っています。

たしかに、人間の嗜好(好み このみ)は自由でいいと思います。現代の私たちの感覚からすれば、むしろそうあるべきだと思います。何を好み、何を愛し、何を嫌い、何を憎むかは、他人に迷惑をかけない限り自由でいいと思います。

しかし、論説文では様々なテーマが出題されます(おそらく、文系の各学部で持ち回りで作っているからではないかと思われます)。

土俵に立てないようなテーマがあったらまずいのです。

できるだけ、様々な種類の論説文を解き、ある程度詳しい必要があるのです。

中途半端では、逆に知識が足を引っ張ることもあります。「ある程度」というのがミソです。

具体的には、自分と同等かちょっと下の学力の人にも、会話で説明できるくらいが目安です。

言語化することができているということは、自分の頭の中でテーマが整理できているということだからです。

テーマに詳しくなるための具体的な方法

できるだけたくさんの論説文をやっていきましょう。

テーマ自体を取り扱った参考書、問題集を紹介します。

①ことばはちからダ!現代文キーワード(河合塾シリーズ)
②現代文キーワード読解(Z会出版社)
③書くべきネタが思いつく 看護医療系小論文 頻出テーマ15(箕曲在弘先生)

①は前の章でも取り上げたものです。重要な語彙の解説だけでなく、現代文でよく取り扱われる様々なテーマにも詳しくなれます。苦手な人はぜひやりましょう。

②は偏差値60の壁を超えるためのもの鉄板中の鉄板です。最近、旧帝大レベルを志望する生徒さんに、この本を勧め(すすめ)ました。

③は看護系学部の小論対策の中でも特に素晴らしい参考書です。医療系の初歩中の初歩(一般常識の範疇)のテーマを取り扱っており、模範解答もよい例とダメな例が示してあり使いやすいです。よくお世話になっている本です。

この章のまとめ
・筆者はその分野で論じられている事とは、異なることや今までに無かったものを主張することが多い

・だから、テーマに最低限詳しいことは重要である
特定のテーマだけやたら詳しかったり、まったく興味がなかったりすることが、得点が安定しない理由である。
・テーマ自体を取り扱った参考書をやっていこう。

3.正しい読み方、解き方のフォームが身についてない(成績が伸びていかない理由)。

正しい読み方、解き方とは

論説文では

筆者の主張(言いたいこと)を過不足なく読むこと

小説文では

登場人物の心情やその変化を読み取ること

正しい読み方ができるとはこれらの目的に沿って読むことができることです。

おそらく、皆さんはこのページにたどり着く前に、かなり具体的な現代文の読み方や解き方のコツやテクニックがたくさん書かれたページを見ていると思います。

書かれていることはどれも正しいです。

とても勉強になります。見ていない人は「現代文 読み方」で検索することをおすすめします。

しかし、今回、この場で言いたいことがあります。

正しい読み方、解き方のコツやテクニックは

知識として頭でわかっていても、理解して感覚がつかめていないと使うことができない

ということです。

正しい読み方、解き方のフォームを身に着けよう

現代文はやりっぱなしでは意味がなく、必ず2回以上やるのが鉄則です。

解答そのものを暗記することには何の意味もありません。

自分が正しい読み方や解き方ができているのかをチェックするために行っているのです。

正しい読み方、解法、テクニックは、優秀な方々が長い年月をかけて編み出したもので、素晴らしい参考書や問題集がたくさんあります。

問題を解くときや復習するときには、それらを意識して使うように心がけ、反復練習をする必要があります。

最終的には、それらを意識しなくてもできるようになるまで身につけましょう。

意識しなくてもできるということは、正しいフォーム(型)が身につくとよく言われます

よく現代文ができる人が「こんなの分かって当然やん」とか言うでしょう。

これはその人が生まれつきの言語的適正(才能)や、その後の言語に触れてきた経験(1年間に200冊以上本を読むとか)によって自然に正しいフォームが身についているためだと思われます。

たまにこういう生徒さんに出会うとびっくりします。

現代文ができる人は暗記したコツやテクニックを駆使(くし 使うこと)して、その場に応じて問題を解いているわけではありません。

身につけた正しい読み方フォームで根拠となる重要な箇所には、解答を考える前にはすでに線が引かれています。そして、そんなに頑張らなくても速く正確に解くことができます。

現代文ができない人は正しいフォームを身につけるために、正しい読み方、解答にいたるプロセスを何回もなぞっていきましょう。

初歩的な正しい読み方、解き方については

第2回「小説文の読み方」
第3回「論説文の読み方①接続語」
第4回「論説文の読み方②指示語」
第5回「選択問題の解き方」
第6回「記述問題の解き方」

でやっていく予定です。

ちなみに、私自身は現代文が苦手でしたが、素晴らしい参考書のおかげで独力で克服できたタイプです。

素晴らしい参考書や問題集は正しく使いましょう。それが優秀な執筆者の強い願いだと私は思います。

重要なことは、読み方や解き方、コツやテクニックを知っていることや暗記することではなく、正しいフォームを身につけることなのです。

この章のまとめ
論説文の正しい読み方は「筆者の主張」を過不足なく読むこと
小説文の正しい読み方は「登場人物の心情やその変化」を読み取ること
・正しい読み方、解き方のコツやテクニックは、知識として頭でわかっていても、理解して感覚がつかめていないと使うことができない
意識しなくても正しい読み方や解き方できること=正しいフォーム(型)が身につくことである。
正しいフォームを身につけるため、現代文は必ず2回以上やろう

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

次回:現代文(第2回)「小説文の読み方」

以上で、第1回「現代文ができない3つの要因」は終わりです。

ご精読ありがとうございました。

とても根本的で重要なことなので、結構長くなってしまいました。次からは、もっと短くしたいと思います。

第2回は「小説文の読み方」にする予定です。

よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。

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