英語の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第9回)「第4文型SVOO『授与動詞』『第3文型SVOへの書き換え(to, for)』『第5文型SVOCとの違い』」

みなさんはじめまして。

七隈国英塾の杉久保英司と申します。当ホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回は(第9回)「第4文型SVOO『授与動詞』『第3文型SVOの書き換え(to, for)』『第5文型SVOCとの違い』」を解説していきます。第4文型SVOOは、5文型の中でも最も出題頻度が少ない単元ですが、知っておかないと「整序問題」や「空所補充問題」で間違えてしまいます。また第5文型SVOCと混同している生徒さんも多いので、しっかり解説していきたいと思います。

それでは、七隈国英塾の作法にのっとり今回の要点を3行でまとめます。

①第4文型SVOOをとる「授与動詞」を覚えよう
②「第4文型」から「第3文型SVO」への書き換え「to」か「for」の法則
③「第4文型SVOO」と「第5文型SVOC」との違い

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

前回:英語(第8回)「動名詞とto不定詞の『意味上の主語』『否定形』『過去形』」
次回:英語(第10回)「3つの疑問詞『疑問副詞』『疑問代名詞』『疑問形容詞』と英作文の作り方」

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1.第4文型SVOOをとる「授与動詞」を覚えよう

第4文型SVOOの基本。「O」=人、「O」=物、

第4文型SVOO
目的語を2つ取る。「SV」の語順になる。
・第4文型を取る動詞は「give」を代表とするので授与動詞と呼ばれる。
授与動詞の数は少ない。第4文型はすべての文系の中で最も少ない。(一番多いのは第3文型SVO)

(例文)
I teach you English.
私はあなたに英語を教える。

She gives me a present.
彼女は私にプレゼントを与える。

He brings her a cup of coffee.
彼は彼女にコーヒーを持ってくる。

「give」に代表される「授与動詞」

第4文型SVOOをとる授与動詞
give型」の授与動詞
2人居ないと成立しない動詞)(SV 物 to 人)
give「~に~を与える」
sell「~に~を売る」
teach「~に~を教える」
bring「~に~を持ってくる」
send「~に~を送る」
show 「~に~を見せる」
tell「~に~を言う」

例文
I teach her English. (SVOO)
I teach English to her.(SVO+前置詞+名詞)
「私は彼女に英語を教える」
teach「教える」には「2人居ないと成立しない」。
このような時、第4文型→第3文型の書き換えには「to」を用いる。

buy型」の授与動詞
1人でもできる動詞)(SV 物 for 人)
buy「~に~を買う」
make「~に~を作る」
cook「~に~を料理する」
get「~に~を手に入れる」
find「~に~を見つける」
sing「~に~を歌う」

例文
She makes me some tea. (SVOO)
She makes some tea for me. (SVO+前置詞+名詞)
「彼女は私にお茶を作ってくれる」
make「を作る」は「1人でもできる(お茶を作るのは彼女だけ。私は必要でない)」。
このような時、第4文型→第3文型の書き換えには「for」を用いる。

「give型」でも「buy型」でもない授与動詞(例外)
(SV 物 of 人)
ask「~に~をたずねる」(of

例文
She ask me the question.
She ask the question of me.
「彼女は私にその質問をたずねる」

「tell thatSV型」の授与動詞
(名詞節を導くthat節も第2目的語にとれる動詞)
tell 人 that SV「人にthatSVということを言う」
show 人 that SV「人にthatSVということを見せる」
teach 人 that SV「人にthatSVということを教える」

普通の第4文型SVOOを取らないがSV人 thatSV型」だけはとる特殊な授与動詞。
(受験のひっかけ問題によく出るので重要
persuade 人 that SV「人にthatSVということを確信させる
convince 人 that SV「人にthatSVということを確信させる
assure 人 that SV「人にthatSVということを確信させる
warn 人 that SV「人にthatSVということを警告する
inform 人 that SV「人にthatSVということを知らせる
notify 人 that SV「人にthatSVということを知らせる

例文
(×)I inform you the news.
「私はあなたにそのニュースを知らせる」(間違い
(〇)I inform you that she played tennis yesterday.
「私はあなたに彼女が昨日テニスをしたということを知らせる」(正しい

この章をまとめ
・第4文型SVOOは目的語を2つ取る。「SV」の語順になる
第4文型を取る動詞を授与動詞という
・授与動詞には「give型」と「buy型」がある。
・「give型」は第3文型に書き直した時「to」を取る
・「buy型」は第3文型に書き直した時「for」を取る
「SV thatSV型」だけをとる特殊な授与動詞があるので覚えよう

2.「第4文型SVOO」から「第3文型SVO」への書き換え「to」か「for」の法則

2人必要なのが「to」、1人でできるものが「for」

図1.授与動詞「give型」と「buy型」の違い

2つの授与動詞「give型」と「buy型
give型」の授与動詞は第3文型に書き直した時「to」を取る
buy型」は授与動詞は第3文型に書き直した時「for」を取る

例文
I give you a present. (SVOO)
I give a present to you.(SVO+前置詞+名詞)

I buy you a present. (SVOO)
I buy a present for you.(SVO+前置詞+名詞)

「give型」と「buy型」の違いは「2人居ないと成立しないか」、「1人でもできるか」のちがい。
図1の左側「give」「~に~を与える」は2人じゃないとできない
図1の右側「buy」「~に~を買う」は「1人でもできる


復習「give型」「buy型」の授与動詞(必ず覚えましょう
give型」の授与動詞
2人居ないと成立しない動詞)(SV 物 to 人)
give「~に~を与える」
sell「~に~を売る」
teach「~に~を教える」
bring「~に~を持ってくる」
send「~に~を送る」(昔は郵送が発達していなかったのでしょう)
show 「~に~を見せる」
tell「~に~を言う」

buy型」の授与動詞
1人でもできる動詞)(SV 物 for 人)
buy「~に~を買う」
make「~に~を作る」
cook「~に~を料理する」
get「~に~を手に入れる」
find「~に~を見つける」
sing「~に~を歌う」

図2.「sell」は「give型」、「buy」は「buy型」

例文
He sells me a book.
He sells a book to me.
「彼は私に本を売る

I buy you a book.
I buy a book for you.
「私はあなたに本を買う


解説
「sell」(~を売る)は「give型」の授与動詞です。物を売る場合「2人居ないと成立しません。だから、第3文型に書き直した時「to」を取るのです。

「buy」(~を買う)は「buy型」の授与動詞です。物を買う場合「1人でもできます。だから、第3文型に書き直した時「for」を取るのです。

練習問題で「to」「for」を入れてみよう

問題( )の中に「to」か「for」のどちらかを入れましょう。

① I will make you some tea.
I will make some tea ( ) you.

② Our teacher told us the story.
Our teacher told the story ( ) us.

③ She sang him a song.
She sang a song ( ) him.

④ My mother cooks us good meal.
My mother cooks good meal ( ) us.

⑤ Please bring me today’s paper.
Please bring today’s paper ( ) me.

⑥ He orders her a cup of coffee.
He orders a cup of coffee ( ) her.

⑦ He lent me the magazine.
He lent the magazine ( ) me.

解答
① I will make you some tea.
I will make some tea (for) you.
「私はあなたにお茶を淹れましょう」

② Our teacher told us the story.
Our teacher told the story (to) us.
「私たちの先生はその話を私たちに話した」

③ She sang him a song.
She sang a song (for) him.
「彼女は彼に歌を歌った」

④ My mother cooks us good meal.
My mother cooks good meal (for) us.
「私の母は私たちにおいしいご飯を料理してくれる」

⑤ Please bring me today’s paper.
Please bring today’s paper (to) me.
「私に今日の新聞を持ってきてください」

⑥ He orders her a cup of coffee.
He orders a cup of coffee (for) her.
「彼は彼女に一杯のコーヒーを注文する」

⑦ He lent me the magazine.
He lent the magazine (to) me.
「彼は私に雑誌を貸した」

この章をまとめ
give型」の授与動詞は第3文型に書き直した時「to」を取る
・「buy型」は授与動詞は第3文型に書き直した時「for」を取る

・「give型」は「2人居ないと成立しない授与動詞」
・「buy型」は「1人でも成立する授与動詞

3.「第4文型SVOO」と「第5文型SVOC」との違い

第4文型SVOOは「SV+名詞+名詞」。第5文型SVOCは「SV+名詞+形容詞」

「第4文型SVO」と「第5文型SVO」との違い

第4文型 SV+名詞+名詞
「Sは『人』にをVする」
I make you some tea.
「私はあなたにお茶を作る」

第5文型 SV+名詞+形容詞
「Sは『人・物』=『』になるようにVする」(O=C)
「Sは『人・物』が『Cする』ようにVする」(OC→SV)

I make you happy. (O=C)(happy=形容詞
「私はあなたを幸せにする」
I make you tired. (O=C)(tired=過去分詞=形容詞
「私はあなたを疲れさせる

I make you play tennis. (OC→SV)
(play=原型不定詞(形容詞的用法)=形容詞
「私はあなたにテニスをさせる(するようにさせる)
I make you playing tennis every day. (OC→SV)
(playing=現在分詞=形容詞
「私はあなたに毎日テニスをするようにさせる」

補足「形容詞とは」
「~い」「~しい」で終わる。「大きい」「赤い」「美しい」
「形容詞」には2つの大きな働きがある。
①「名詞」を修飾する(限定用法
②「C補語」になる(叙述用法(じょじゅつ)

例文
This is a beautiful flower. (SVC)(C=flower)
「これは美しい花です」
This flower is beautiful. (SVC)(C=beautiful
「この花は美しい」

I find the beautiful flower. (SVO)
「私は美しい花を見つける」
I find the flower beautiful. (SVOC、O=C)
「私はその花が美しいことが分かる」

第5文型SVOCが「SV+名詞+名詞」になる例外「name」「call」「elect」(実は中3の単元)

「第5文型SVOC」が「+名詞+名詞」になる例外

動詞」が以下の3つの時
name」「~を~と名付ける」
call」「~を~と呼ぶ」
elect」「~を~に選ぶ」

例文
They named their baby Jenny.
(their baby= Jenny)(O=C)(Cに名詞)
「彼らは彼らの赤ちゃんをジェニーと名付けた
You can call me Meg.
(me= Meg)(O=C)(Cに名詞)
「私のことをメグと呼んでね
They elected him chairman.
(him= chairman)(O=C)(Cに名詞)
「彼らは彼を議長に選んだ

練習問題で第4文型、第5文型を判断しよう

問題「第4文型SVOO」か「第5文型SVOC」かを判別しましょう。
次に訳をしましょう。


She asked me the way to the station.
She asked me to study more hard.


I tell him that she played tennis there yesterday.
I tell him to play tennis.
I tell him the way to the station.
I tell him playing tennis everyday.


I make him some tea.
I make him play tennis.
I make him surprised.
I made him happy.

難問(第3、第4、第5文型が含まれます)
I find her beautiful.
I find her a purse.
I find her lost purse
I find her purse lost.
(purse)=財布、(lose)=失う

解答
第4文型SVOO」「第5文型SVOC


She asked me the way to the station. (SVOO)
「彼女は私に駅までの道を尋ねた」

She asked me to study more hard. (SVOC)(OC→SV)
「彼女は私にもっと勉強してくれるようにお願いした」
「to study」は「to不定詞」の「形容詞的用法(叙述用法)」


I tell him that she played tennis there yesterday. (SVOO)
「私は彼に彼女が昨日テニスをしたことを言った」

I tell him to play tennis. (SVOC)(OC→SV)
「私は彼にテニスをするように言った」

I tell him the way to the station. (SVOO)
「私は彼に駅までの道を教えた」

I tell him playing tennis everyday. (SVOC)(OC→SV)
「私は彼に毎日テニスをするように言った」
「playing」は分詞の叙述用法


I make him some tea. (SVOO)
「私は彼にお茶を作った」

I make him play tennis. (SVOC)(OC→SV)
「私は彼にテニスを(するように)させる」
「play」は原型不定詞使役動詞・知覚動詞の時、to不定詞の「to」が省略されて、動詞の原形だけが残る。

I make him surprised. (SVOC)(O=C)
「私は彼を驚かせた」
「surprised」は分詞の叙述用法。
現在分詞「~ing」の時は(OC→SV)
過去分詞「~ed」のときは(O=C)になる。

I made him happy. (SVOC)(O=C)
「私は彼を幸せにした」

難問第3第4第5文型が含まれます)
I find her beautiful. (SVOC)(O=C)
「私は彼女が美しいと分かった」

I find her a purse. (SVOO)
「私は彼女に財布を見つける」

I find her lost purse. (SVO)
「私は彼女の無くした財布を見つける」
「lost」は「purse」を修飾する。分詞の限定用法

I find her purse lost. (SVOC)(O=C)
「私は彼女の財布が無くなるのを見る」
「lost」は「C補語」になる。分詞の叙述用法

補足「分詞とは」
「動詞」を「形容詞」にしたものが「分詞」。(ちなみに動詞を名詞にしたものは「動名詞」)
要するに「分詞」=「形容詞」(分詞構文は例外で「副詞節から副詞句を作る」)
・現在分詞「~ing」は能動「~する」
・過去分詞「~ed」は受動「~される」

「分詞」=「形容詞」にも2つの大きな働きがある
①「名詞」を修飾する(限定用法
1文字の分詞はから修飾
The crying baby is cute. (SVC)(S=C)
寝ている赤ちゃんはかわいい」

2文字以上の分詞は後ろから修飾
The baby crying on the bed is cute. (SVC)(S=C)
ベットで寝ている赤ちゃんはかわいい」

②「C補語」になる(叙述用法(じょじゅつ)
He made the baby crying. (SVOC)(OC→SV)
「彼はその赤ちゃんを泣くようにさせた(泣かせた)」
He made the baby bored. (SVOC)(O=C)
「彼はその赤ちゃんを退屈させられるようにさせた(退屈させた)」
「bore」「~を退屈にさせる」
「赤ちゃんが誰かを退屈にさせる」のではなく、「赤ちゃんは退屈させられる」ので、受動過去分詞「bored」を使う。


この章のまとめ
・第4文型 SV+名詞+名詞
・第5文型 SV+名詞+形容詞

第5文型の例外 S+(call, name, elect)+名詞+名詞(O=C)

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前回:英語(第8回)「動名詞とto不定詞の『意味上の主語』『否定形』『過去形』」
次回:英語(第10回)「3つの疑問詞『疑問副詞』『疑問代名詞』『疑問形容詞』と英作文の作り方」

以上で、第9回「第4文型SVOO『授与動詞』『第3文型SVOへの書き換え(to, for)』『第5文型SVOCとの違い』」は終わりです。

ご精読ありがとうございました。

今回取り扱った第4文型は、出題頻度は少なく比較的簡単な単元ですが、第5文型と混同することが多いので、しっかり覚えましょう。

次回は第10回「3つの疑問詞『疑問副詞』『疑問代名詞』『疑問形容詞』と英作文の作り方」にする予定ですので、よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。

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