英語の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第7回)「to不定詞の3用法と意味上の主語」
みなさんはじめまして。
七隈国英塾の杉久保英司と申します。当ホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は(第7回)「to不定詞の3用法と意味上の主語」を解説していきます。
「to不定詞」には名詞的用法、形容詞的用法(限定用法と叙述用法)、副詞的用法の3つの用法があります。これらの区別がついていなくて文法問題、長文読解で苦労してる生徒さんは多いと思います。また、皆さんが苦手としている第5文型SVOC(SVO to do)を作るのにものすごく重要な働きをします。たぶん高校生の半分もわかっていないであろう「意味上の主語」が出てきます。そこで、今回は「to不定詞」をできるだけ分かりやすくに解説していきます。
それでは、七隈国英塾の作法にのっとり今回の要点を3行でまとめます。
①「to不定詞」は形が定まっていないから「不定」詞という
②「to不定詞」の名詞的用法と副詞的用法の重要な文法事項
③原型不定詞と第5文型、形容詞的用法の叙述用法と「意味上の主語」
★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介
前回:英語(第6回)「完了形、3用法と副詞の関係」
次回:英語(第8回)「動名詞とto不定詞の『意味上の主語』『否定形』『過去形』」
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1.「to不定詞」の3つの用法のおさらい
不定詞toの後には動詞の原形。前置詞toの後には名詞
中学生の復習から始めます、
「to不定詞」と「前置詞のto」
①to不定詞 後ろに動詞の原形が来る、名詞、形容詞、副詞になる
②前置詞のto 後ろに名詞(動名詞も可)が来る。前置詞+名詞で副詞になる
名詞「花」「鉛筆」「時計」など、モノの名前を表す
形容詞「美しい」「赤い」「大きい」など、名詞を修飾したりC補語になる、
副詞「美しく」「とても」「学校に」など、名詞以外(形容詞、動詞、副詞、文全体)を修飾する。
問題「以下の文章を訳しましょう」
I go to school to play tennis.
正解
私はテニスをするために学校に行きます。
解説
I go to school to play tennis.
「to school」の「to」は後ろに名詞「school」が来ているので前置詞の「to」
「to play tennis」 の「to」は後ろに動詞の原形「play」が来ているのでto不定詞の「to」
問題「a、bのどちらかを入れて訳しましょう」
① I used ( ) tennis.
a「to play」 b「to playing」
② I am used ( ) tennis.
a「to play」 b「to playing」
③ I look forward ( ) you again.
a「to meet」 b「to meeting」
④ I object ( ) tennis.
a「to play」 b「to playing」
正解
① I used to play tennis.(a)
「私はテニスをしたものだ」
② I am used to playing tennis.(b)
「私はテニスをするのに慣れている」
③I look forward to meeting you again.(b)
「私は次あなたに会えることを楽しみにしている」
④I object to playing tennis.(b)
「私はテニスをすることを反対します」
解説
①「used to do」=「would」で「かつて~したものだ」の意味の熟語。
②「be used to ~ing」で「~するのに慣れる」の意味の熟語。
③「look forward to ~ing」で「~するのを楽しみにする」の意味の熟語。
④「object ~ing」で「~するのを反対する」の意味の熟語。
要するに「不定詞のto+動詞の原形」か「前置詞のto+動名詞」のどっちかということ。熟語を覚えるときは「to do」「to ~ing」まで覚えないと、このような2択のじゃんけんを強いられます。面倒臭がらずに必ず最後まで覚えましょう。覚えにくいときは例文そのものを覚えてしまいましょう。
to不定詞は「名詞」「形容詞」「副詞」になる。形が定まってないので「不定詞」と呼ばれる
ここも中学校の復習
「to」不定詞の3用法
名詞的用法「~することは、~することを」と訳される。S主語やO目的語になる
形容詞的用法「~するための」と訳される(限定用法のみ)。名詞を修飾したりC補語になる
副詞的用法「~するために、~して」と訳される。原因を表し文全体を修飾することがほとんど
問題「次の文のto不定詞は、名詞的用法。形容詞的用法、副詞的用法のどれでしょう」
① I am glad to see you.
② I have a large family to support
③ I want to play tennis.
④ I go to school to play tennis.
⑤ I want you to play tennis. (難問)
訳
①「私はあなたに会えてうれしい」
②「私は助けるための家族が多い」(扶養家族が多い)
③「私はテニスをすることを求める」
④「私はテニスをするために学校に行く」
⑤「私はあなたにテニスをしてもらいたい」
正解
①副詞的用法
③形容詞的用法(限定用法)
③名詞的用法
④副詞的用法
⑤形容詞的用法(叙述用法)
解説
①「~して」と訳せるので副詞的用法になる。
②「~するための」と訳せるので形容詞的用法になる。
③「~することを」と訳せるので名詞的用法になる。
④「~するために」と訳せるので副詞的用法になる。
⑤「~して」と訳せるが、to不定詞はこの文の補語になっているため形容詞的用法。
C補語について
①補語は第2文型SVCと第5文型SVOCで使う。
②補語には名詞か形容詞を使う。
③SVCは「S=C」の関係が成り立つ
My hobby is to play tennis.
④SVOCは「O=C」か「OとCの関係がSとVの関係になる」
I want you to play tennis. では「you」と「to play tenni」がSVの関係になる。
テニスをするのは「私」ではなく「あなた」である。
「私」はこの文の主語である。「あなた」をto不定詞の意味上の主語という。
「to」と動詞「play」の間に主語を入れたいけど、「to不定詞」の後は動詞の原形を入れなければならない。そこで、「to」の前に目的格(You, your, you, yours )を入れる。この目的格の「you」をto不定詞の意味上の主語という。
⑤は難しいですが、「意味上の主語」の軽い説明です。このページを読み終わるまでには理解できるようになります。
形容詞の「限定用法」と「叙述用法」の復習
形容詞には重要な2つの用法があります
形容詞の「限定用法」と「叙述用法(じょじゅつようほう)」
限定用法(名詞を修飾する)「① This is a beautiful flower.」
叙述用法(補語Cになる)「② This flower is beautiful.」
①の文章では形容詞「beautiful」が名詞「flower」を修飾している。
修飾する=限定する,制限する
②の文章では第2文型SVCのC補語に形容詞「beautiful」が入っている
第2文型SVCは「S=C」の関係が成り立つ。
C補語には名詞と形容詞が入る。
問題「次の文を訳しましょう」
① I find the beautiful flower.
② I find the flower beautiful.
ヒント
①「find」は「~を見つける」と「~であることが分かる」という意味がある。
②前の文章は第3文型SVO,後ろの文は第5文型SVOC。
③第5文型SVOCの特徴は「O=C」か「OとCの関係がSとVの関係になる」
④今回は「O=C」を使う
正解
①私はその美しい花を見つけた。
②私はその花が美しいと分かった。
解説
①形容詞「beautiful」が「名詞を修飾する」限定用法で使われている。「beautiful」が後ろの名詞「flower」を修飾(限定)している。
②形容詞「beautiful」が「C補語になる」叙述用法で使われている。
「flower」=「beautiful」の関係が成り立ち、「O=C」となるので、第5文型SVOCの文章である。
とりあえず、形容詞の「限定用法」と「叙述用法」の違いをきっちり抑えましょう、
「to不定詞」の形容詞的用法の「叙述用法」は文法問題に最頻出です(10問あったら2問くらい出る感じ)。
★形容詞をもっと勉強したい方はこちら★
第4回「形容詞、限定用法と叙述用法」
この章をまとめ
・「to不定詞」は、後ろに動詞の原形が来る、名詞、形容詞、副詞になる
・「前置詞のto」は、 後ろに名詞が来る。前置詞+名詞で副詞になる
・熟語を覚えるときは「to do」「to ~ing」まで必ず覚えよう。
・「to不定詞」は形が定まっていないので「不定」詞と呼ばれる。
・形容詞の「限定用法」は名詞を修飾する(限定する)
・形容詞の「叙述用法」はC補語になる。
2.「to不定詞」の名詞的用法と副詞的用法の重要な文法事項
「to不定詞」の名詞的用法があらわすのは「未来」、「動名詞」があらわすのは「過去」
第三文型SVOの目的語は、「to不定詞」の名詞的用法と「動名詞」の場合があります。
目的語に「to不定詞」か「動名詞」か?
①to不定詞 動詞よりもちょっと後(未来)のとき
②動名詞 動詞よりもちょっと前(過去)のとき
① I want to play tennis.
動詞「want」より、to不定詞「to play tennis」のほうが後(ちょっと未来)
「したい」と思っているとき、まだ「テニスをしていない」
② I enjoy playing tennis.
動詞「enjoy」より、動名詞「playing tennis」のほうが前(ちょっと過去)
「楽しい」と感じているとき、すでに「テニスをしている」
過去(動名詞) | 現在(動詞V) | 未来(to不定詞) |
want | to play tennis | |
promise | to play tennis | |
decide | to play tennis | |
playing tennis | enjoy | |
playing tennis | finish | |
playing tennis | stop |
目的語に「to不定詞」しか取れない動詞
①希望
want, hope, wish, desire「~を強く望む」
②意図
expect「~を予期する」, promise「~を約束する」
③決心・申し出
decide「~を決心する」, offer「~を申し出る」
④その他、注意すべきもの,
pretend to do「~のふりをする」メガフェップスの「p」ではないことに注意
manage to do「なんとかして~する」文法問題で頻出
tend to do「~しようとする」。類義語「intend」「~しようとする」は両方取って意味が変わらない語「intend to do」「intend ~ing」両方可。
happen to do「たまたま~する」「happen」が原型であることに注意
appear to do=seem to do「~のように見える」。長文で頻出。自動詞「appear」=「現れる」とは異なる。他動詞としての用法。
get to do = come to do「~するようになる」。自動詞「get to 場所」「come to 場所」「~に到着する、~に来る」と区別しよう。ちなみに「become to do」は存在しない(ひっかけ注意)。
目的語に「動名詞」しか取れない動詞、(メガフェップス)
mind 「~を気にする」
enjoy 「~を楽しむ」
give up 「~を(完全に)あきらめる」
avoid 「~を避ける」I avoid eating sweets.
finish 「~を終わらせる」
escape 「~を避ける」I escape meeting you.
practice 「~の練習をする」I practice playing tennis.
put off 「~を延期する」未来だけど動名詞。例外
stop 「~を中断する(その後、再開する)」
目的語に「to不定詞」と「動名詞」の両方を取って「意味が変わる語」(5種)
remember to do「これから~するのを忘れずに覚えている」
remember ~ing「~したことを忘れずに覚えている」
forget to do「これから~するのを忘れる」
forget ~ing「~したことを忘れる」
mean to do「~を意図する(これから~しようとする)」
mean ~ing「~を意味する」
try to do「頑張って~しようとする」
try ~ing「(できるかどうかわからないけど)とりあえず~試してみる」
regret to do「(嫌々だけど)これから~する」
regret ~ing「~したことを後悔する」
問題「a、bのどちらかを入れて訳しましょう」
① I like ( ) tennis.
a「to play」 b「playing」
② I avoid ( ) sweats these day.
a「to eat」 b「eating」
③ I offer ( ) tennis with him.
a「to play」 b「playing」
④ I remember ( ) with you ten years ago.
a「to dance」 b「dancing」
⑤ I forget ( ) the mail tomorrow.
a「to post」 b「posting」
正解
① I like to play tennis.(a)
① I like playing tennis. (b)
「私はテニスをするのが好きだ」(どちらでも正解)
② I avoid eating sweats these day. (b)
「私は最近甘いものを食べるのを避けている」
③ I offer to play tennis with him. (a)
「私は彼と一緒にテニスをすることを申し出る」
④ I remember dancing with you ten years ago. (b)
「私は10年前あなたと踊ったことを覚えている」
⑤ I forget to post the mail tomorrow. (a)
「私は明日手紙を出すのを忘れていた」
解説
①「like」は目的語に「to不定詞」と「動名詞」の両方を取って「意味が変わらない語」。よって、どちらでも正解。このような語は出題されないので、特に覚えなくてよい。
②「avoid」は目的語に「動名詞」しか取れない語。間違えた人は確認しよう。
③「offer」は目的語に「to不定詞」しか取れない語。
④「remember」は目的語に「to不定詞」と「動名詞」の両方を取って意味が変わる語。今回は「ten years ago」があるので過去の事であることが分かる。よって「動名詞」を入れる。
⑤「forget」は目的語に「to不定詞」と「動名詞」の両方を取って意味が変わる語。今回は「tomorrow」があるので未来の事であることが分かる。よって「動名詞」を入れる。
今回取り上げた代表的な動詞(よく出題される動詞)は覚えましょう。しかし、これ以外にもかなりたくさんあるので、すべてを押さえるのは無理です。単語を覚えるときに一緒に覚えましょう。(to do)とか(~ing)とか単語の参考書に書いてあります。
実際の問題を解くときは
「to不定詞」=未来
「動名詞」=過去
でなんとかなることが多いです。(もちろん例外もたくさんありますが、偏差値60以内なら大丈夫です)
形式主語「It」、形式目的語「it」を受ける「to不定詞の名詞的用法」と意味上の主語
英語ではS主語が他のV動詞やC補語と比べて長すぎるのを嫌います(頭でっかちはダメ)。そこで、形式主語の「It」や形式目的語「it」を使って、それを「to不定詞の名詞的用法」や「名詞節を導く接続詞のthat」で受けます。
形式主語「It」と形式目的語「it」を受ける「to不定詞」
形式主語「It」(SVC)(S=C)
(✖)To play tennis with my friends is fun.
(〇)It is fun to play tennis with my friends.
「友達とテニスをすることは楽しい」
「It」=「to play tennis with my friends」
形式目的語「it」(SVOC)(O=C)
I find it fun to play tennis with my friends.
「私は友達とテニスをすることが楽しいと分かった」
「it」=「to play tennis with my friends」
「find」は「~を見つける」と「~であることが分かる」という意味がある。
第5文型SVOCの特徴は「O=C」か「OとCの関係がSとVの関係になる」。今回は「O=C」を使う。「to play tennis with my friends」=「it」(形式目的語),「it」=「fun」(O=C)の関係になる。
問題1「次の和文を英作文にしましょう」(ヒントがあるから大丈夫です)
「私はその仕事を終わらせることが不可能だと思った」
ヒント
①形式目的語「it」と第五文型SVOCをつかう。
②「不可能」=「impossible」形容詞
③「O=C」を使う
④「その仕事を終わらせること」=「不可能」の関係
⑤「その仕事を終わらせること」を「to不定詞」で表し、形式目的語「it」で受ける。
⑥「思う」=「think」、「終わらせる」=「finish」
正解
I thought it impossible to finish the work.
解説
形式目的語「it」と第5文型を使う。第5文型SVOCの特徴は「O=C」か「OとCの関係がSとVの関係になる」。今回は「O=C」を使い、「その仕事を終わらせること」=「不可能」の関係になる。
第五文型SVOCのCに入るのは、形容詞か形容詞の代替(to不定詞、原型不定詞、分詞~ing, ~ed)。今回は形容詞「impossible」を使う。
第五文型SVOCのCに名詞が入るかなり特殊な例(実は中3の復習)
① You can call me Meg.
「私のことをメグと呼んでね」
「me」=「Meg」(名詞)
② They elected him chairman.
「彼らは彼を議長に選んだ」
「him」=「chairman」(名詞)
③ They named their baby Jenny.
「彼らは彼らの赤ちゃんをジェニーと名付けた」
「their baby」=「Jenny」(名詞)
SVOCの動詞Vが「call」「elect」「name」などの時だけ、第五文型SVOCのCに名詞が入る。
問題2「次の和文を英作文にしましょう」(ヒントがあるから大丈夫です)
「私は彼女がその仕事を終わらせることが不可能だと思った」
ヒント
①この文の主語は「わたし」。仕事を終わらせるのは「彼女」
②「to不定詞」の「意味上の主語」は「彼女」
③「to不定詞の意味上の主語」は「to」の前に目的格(She, her her, hers)を置く。
④すると、SVOCの後に名詞が来てしまいSVOCO!?となってしまう。
⑤そこで、to不定詞の意味上の主語の前に前置詞「for」「~にとって」を置く。
⑥すると、SVOC+(前置詞+名詞)となり、文が成り立つ。
⑦(前置詞+名詞)=副詞。副詞は文の成分にはならない(割と適当における)
正解
I thought it impossible for her to finish the work.(問題2の正解)
I thought it impossible to finish the work. 参考(問題1の正解)
解説
「I thought it impossible」SVOCの部分は同じで、(O=C)であることも同じ。しかし、to不定詞の主語(要するに「finish」の主語)は。この文の主語「私」ではなく「彼女」である。そこで、to不定詞の意味上の主語=目的格を置かなければならない。すると、「I thought it impossible her」となりSVOCの後に名詞が来ることになり文が成立しないので、前置詞「for」を入れる。(前置詞+名詞)=副詞となり文が成立する。副詞は割と適当に置きやすい。
補足
形容詞が人の性格を表すものの場合、前置詞「for」ではなく「of」を使う。
It is kind of her to invite me to the party.
「私をパーティーに招待してくれるなんて彼女はなんて優しいんでしょう」
形式主語「It」を使った文章。
文法問題でよく出る「結果の副詞的用法」
「to不定詞の副詞的用法」「~するために」「~して」は、「原因」を表す副詞句になりますが、「結果」になるものもあり「結果の副詞的用法」と呼ばれ、よく出題されます。
to不定詞の副詞的用法=副詞句
「原因」を表す副詞句になる。
「結果」を表す副詞句になる(結果の副詞的用法)例外
「live (up) to be 年齢」「never to do」「only to do」など。
句 SVが無いもの。(前置詞+名詞)=副詞句
節 SVがあるもの。(接続詞+SV)=副詞節、名詞節
「原因」を表す普通のto不定詞の副詞的用法
I go to school to play tennis.
原因「テニスをするために」→結果「学校に行った」
I am glad to see you.
原因「あなたに会えて」→結果「とてもうれしい」
「結果」を表すto不定詞の副詞的用法
My grandfather lived up to be hundred years old.
原因「おじいさんは生きた」→結果「100歳になった」
He left his home town, never to return.
原因「彼は故郷を離れた」→結果「2度と帰らなかった」
She worked hard only to fail.
原因「彼女は一生懸命頑張った」→結果「失敗しただけだった」
結果の副詞的用法の定番の形、「live (up) to be 年齢」「never to do」「only to do」は覚えましょう。上の文章をそのものを覚えてしまう方が速いと思います。
この章をまとめ
・O目的語に「to不定詞のみ」「動名詞のみ」「両方取って意味が変わる」V動詞がある(頻出)。必ず覚えよう
・「to不定詞」が目的語→未来
・「動名詞」が目的語→過去
・「to不定詞の意味上の主語」は目的格を置く
・形式主語「It」、形式目的語「it」の「意味上の主語」がある時の構文
It is 形容詞 for(of)目的格(意味上の主語)to do(SVC)
SV it 形容詞 for(of)目的格(意味上の主語)to do(SVOC)
・結果の副詞的用法「live (up) to be 年齢」「never to do」「only to do」
3.原型不定詞と第5文型、形容詞的用法の叙述用法と「意味上の主語」
第5文型とto不定詞の形容詞的用法(叙述用法)
第5文型SVOCの全ての概要をまとめました。分詞以外が今回の範囲になります。SVOCのCを尋ねる問題(to play, play, playing, played.の4択など)は最頻出なので、この概要は役に立つと思います。
第五文型SVOCの特徴
①「OとCの関係」が「SとV」の関係になる(Oが意味上の主語になる)
②「O=C」の関係になる
①(OC)→(SV)C補語に「to不定詞」「原型不定詞」「現在分詞」が入る時
I wanted you to play tennis.(Cにto不定詞)
「私はあなたにテニスをしてほしかった」
I saw you play tennis yesterday.(Cに原型不定詞)(1回の動作)
「私は昨日あなたがテニスをしているのを見た」
I saw you playing tennis everyday.(Cに現在分詞)(継続動作)
「私はあなたが毎日テニスをし続けているのを見ていた」
②(O=C)。C補語に「形容詞、過去分詞~ed、名詞」が入る時
I find the flower beautiful.(Cに形容詞)
「私はその花が美しいことが分かった」
I thought it impossible to finish the work.(Cに形容詞)
「私はその仕事を終えるのが不可能だと思った」
I thought it impossible for her to finish the work.(Cに形容詞)
「私は彼女がその仕事を終えるのは不可能だと思った」
She saw him tiered of the work.
「彼女は彼がその仕事に疲れているのを見た」(Cに過去分詞)
They named their baby Jenny.(Cに名詞)例外中の例外
「彼らは彼らの赤ちゃんをジェニーと名付けた」
第五文型SVOCのC補語には、形容詞、形容詞の代替(to不定詞の形容詞的用法、原型不定詞、現在分詞~ing、過去分詞~ed)が入る。
動詞Vに「call」「elect」「name」などの時だけC補語に名詞が入る。
1~2章でやったのは形容詞と名詞
この3章でやるのはto不定詞、原型不定詞
現在分詞~ing、過去分詞~edは次回以降やる予定です。
それでは、第5文型SVOCのCにto不定詞の形容詞的用法(叙述用法)が入る場合の解説をします。
SVOCのCが「to不定詞」の形容詞的用法(叙述用法)
①SVOCの「OとCの関係」が「SとVの関係」の関係(OC)→(SV)になる。
②Oが意味上の主語になる。
③「to不定詞」を目的語にとる動詞に、意味上の主語(目的格)を置けば簡単に作れる。
④動名詞を目的語にとる動詞は使えない。それ以外の動詞で作れる。
第3文型SVO
I want to play tennis.
「私はテニスがしたい」
第5文型SVOC
I want him to play tennis.
「わたしは彼にテニスをしてもらいたい」
この文の主語は「私」、テニスをするのは「彼」。to不定詞の意味上の主語は目的格をtoの前に置く。(OC)→(SV)の第5文型SVOCとなり、Cは「to不定詞」の形容詞的用法(叙述用法)になる。
形容詞の2つの用法
限定用法(名詞を修飾する)
「① This is a beautiful flower.」
「① I find the beautiful flower.」
叙述用法(補語Cになる)(じょじゅつようほう)
「② This flower is beautiful.」(SVCのC)
「② I find the flower beautiful.」(SVOCのC)
問題1「次の和文を英作文にしましょう」(ヒントがあるから大丈夫です)
「彼女は彼に一所懸命働くように頼んだ」
ヒント
①第5文型SVOCを使いましょう。
②「頼む」=「ask」
③「頼む」のは「彼女」、「働く」のは「彼」
④この文の主語は「彼女」、「to不定詞の意味上の主語」は「彼」
⑤(OC)→(SV)を使う。
⑥「一所懸命」=「hard」
正解
She asked him to work hard.
「彼女は彼に一所懸命働くように頼んだ」
解説
第3文型SVOで「She asked that he worked hard」と書いても決して採点されない。第5文型を使う必要がある。第五文型は1つの文にSVが2つある点が難しい。この文では「彼女」が「頼む」、「彼」が「働く」という2つのSVがある。「彼女」が「この文の主語S」で、「彼」は「to不定詞の意味上の主語O」である。
問題2「次の和文を英作文にしましょう」(ヒントがあるから大丈夫です)
「彼女は彼に一所懸命働かないように頼んだ」
ヒント
①「to不定詞」の否定形を使う。
②「to不定詞」の後は動詞の原形なので、「to」の後に「do not」を入れることができない。
③「to不定詞」の否定形は、「to」の前に「not」を置く。
④意味上の主語がある時は、意味上の主語と後、「to」の前に「not」を置く。
正解
She asked him not to work hard.
「彼女は彼に一所懸命働かないように頼んだ」
解説
「to不定詞」の否定形を使う。意味上の主語と後、「to不定詞」の前に「not」を置くだけで、簡単に作ることができる。知らない人、知っていても忘れている人が多いので、ちゃんと理解しましょう。整序問題に頻出です。
使役動詞・知覚動詞と原型不定詞
使役動詞・知覚動詞と原型不定詞
原型不定詞
want O to do, ask O to do,とは異なり、動詞Vに「使役動詞」や「知覚動詞」の時、「to」が省略されて動詞の原形だけが残る(to不定詞の後は動詞の原形なので)。これを「原型不定詞」という。
I wanted him to play tennis.
「私は彼にテニスをしてもらいたかった」
I asked him to play tennis.
「私は彼にテニスをしてもらうよう頼んだ」
I made him play tennis.
「私は彼にテニスをさせた」
I saw him play tennis.
「私は彼にテニスをしているのを見た」
使役動詞(5種)絶対暗記しよう(最頻出)
make「~させる」(上の者が下の者へ、強制的に)(強)
have「~させる」(対等の立場同士、金銭のなど絡む場合)(中)
let「~してもらう」(下の者が上の者へ、お願い)(弱)
help 目的語(to)do「人が~するのを助ける」米用法は原型不定詞。英用法はto不定詞
get 目的語 to do「~させる」(対等の立場同士、金銭のなど絡む場合)(中)原型不定詞を取らない。
make「意味上の主語が嫌がっても無理やりさせる」(強)
Our teacher made us read this book.
「私たちの先生は私たちにその本を読ませた」
have, get to「対等者同士、金銭などの等価交換でしてもらう」(中)
I had my classmates clean our room.
「私は同級生たちに教室の掃除をさせた」
I got my classmates to clean our room.
「私は同級生たちに教室の掃除をさせた」「get」だけは原型不定詞を取らない
let「下のものが上の者へ、よく知らない人に対して」(弱)
My parents let me study abroad.
「私の両親は私を海外で勉強させてくれた」(私が留学を望んで両親が許してくれた)
My parents made me study abroad.
「私の両親は私を海外で勉強させた」(両親が無理やり私に留学させた)
Please let me introduce myself to you.
「私にあなたに対して自己紹介するのを(あなたが)お許しください」
知覚動詞(見る、聞く、感じる)絶対暗記しよう(最頻出)
見る
see「OがCするのを(なんとなく)見る」
watch「OがCするのを(集中して)見る」
聞く
hear「OがCするのを(なんとなく)聞く」
listen to「OがCするの(集中して)を聞く」
I listen to them talk.
「私は彼らが話すのを注意して聞いている」
「listen to」の「to」は前置詞
I get them to talk.
「私は彼らに話をさせた」
「get O to do」の「to」は不定詞
感じる
feel「OがCするのを(なんとなく)感じる」
notice「OがCするのを(集中して)感じる」
問題「a、bのどちらかを入れて訳しましょう」(ノーヒント)
① Our teacher told us ( ) tennis.
a「to play」 b「play」
② I felt my heart ( ).
a 「to burn」 b「burn」
③ What makes you ( ) so.
a 「to think」 b 「think」
④ I will get him ( ) tennis.
a「 to play」 b「 play」
⑤ I make it a rule ( ) tennis every day.(難問)
a 「to play」 b「 play」
正解
① Our teacher told us to play tennis.(a)「to不定詞」の形容詞的用法
「私たちの先生は私たちにテニスをするように言った」
② I felt my heart burn.(b)原型不定詞
「私は私の心が燃え上がるのを感じた」
③ What makes you think so.(b)原型不定詞
「何があなたをそんな風に考えさせるのですか?」
④ I will get him to play tennis.(a)「to不定詞」の形容詞的用法
「私は彼にテニスをさせた」
⑤ I make it a rule to play tennis every day.(b)「to不定詞」の名詞的用法
「私は毎日テニスをするようにしている(することをルールにしている)」
(「it」=「rule」)=(O=C)
解説
①「told」は使役動詞でも知覚動詞でもない。よって、「to不定詞」を使う。
②「felt」は「知覚動詞」なので原型不定詞を取る。
③「make」は「使役動詞」なので原型不定詞を取る。
④「get」は使役動詞であるが原型不定詞を取らない。よって、「to不定詞」を使う。
⑤使役動詞「make」に惑わされてはいけない。「it」は形式目的語の「it」。「to不定詞」の名詞的用法で受ける。この第5文型だけ(O=C)の関係になる。ちなみに、「rule」は「ルール・規則」で名詞である。SVOCのC補語に名詞が入る例外中の例外のパターン。
長文で頻出の「be to不定詞」は「助動詞のどれか1つ」
be to不定詞
助動詞、可能「can」、未来「will」、(個人的)義務「must」、(普遍的)義務「should」、運命「may」のどれかに相当します。
可能
I am to play tennis very well.
I can play tennis very well.
未来
I am to go to school tomorrow.
I will go to school tomorrow.
(個人的)義務
I am to get up at six because school starts at seven tomorrow.
I must get up at six because school starts at seven tomorrow.
「時・条件を表す副詞節の中では未来の事でも現在形」
(普遍的)義務
You are not to kill others.
You should not kill others.
「汝(なんじ)、殺すことなかれ(聖書)」
「to不定詞の否定形」は「to」の前に「not」を置く
運命
He is never to return his hometown again.
He may never return his hometown again.
「彼は二度と故郷に帰らないであろう」
長文で「be to不定詞」が出たら、助動詞のどれかを補って読むようにしましょう。「be to不定詞」は修辞表現(要するに「かっこいい」表現)なので、難しい長文に結構出てきます。簡単なので面食らわないようにしましょう。
「時・条件を表す副詞節の中では未来の事でも現在形」
のことを詳しく知りたい方はここの3章を見ましょう。
英語(第5回)「副詞、前置詞+名詞」
この章のまとめ
・第五文型SVOCの特徴
①「OとCの関係」が「SとV」の関係になる(Oが意味上の主語になる)
②「O=C」の関係になる
①(OC)→(SV)。C補語に「to不定詞、原型不定詞、現在分詞~ing」が入る時
②(O=C)。C補語に「形容詞、過去分詞~ed、名詞」が入る時
・「to不定詞の形容詞的用法」がC補語になる時の形
「SVO to do」
・使役動詞・知覚動詞がV動詞の時、C補語が原型不定詞になる。
「SVO do」
・使役動詞は「make」「have」「let」「help」「get to」の5種(強)(中)(弱)
・知覚動詞は見る「see」「watch]。聞く「hear」「listen to」、感じる「feel」「notice」など
・「be to不定詞」は助動詞のどれか1つが入る。長文問題に頻出
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国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介
前回:英語(第6回)「完了形、3用法と副詞の関係」
次回:英語(第8回)「動名詞とto不定詞の『意味上の主語』『否定形』『過去形』」
以上で、第7回「to不定詞の3用法と意味上の主語」は終わりです。
ご精読ありがとうございました。
今回の「to不定詞」は「名詞」「形容詞」「副詞」の3つの用法があります。特に「形容詞や副詞って何?」と聞かれてすぐに説明できない人は、恐らくこれから先を読んでも理解できないと思います。「形容詞」「副詞」の詳しい解説をしているので、以前の記事も読んでもらえると幸いです。
また、「意味上の主語」は第5文型SVOCをマスターするのに欠かせない概念です。今回の記事は「意味上の主語」をかなり丁寧に説明しているので、よくわからなかった方はもう1回今回の記事の最初から読んで頂きたいです。
次回は第8回「動名詞とto不定詞の『意味上の主語』『否定形』『過去形』」にする予定ですので、よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。