英語の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第16回)「関係詞②非制限用法と複合関係詞」

みなさんはじめまして。

七隈国英塾の杉久保英司と申します。当ホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回は(第16回)「関係詞②非制限用法と複合関係詞を解説していきます。

非制限用法」は先行詞と関係詞の間に「,」(カンマ)が付くものです。        

複合関係詞」は関係詞に「~everが付くものことです

関係詞の「非制限用法」と「複合関係詞」は文法問題ではあまり問われませんが、「長文読解」をするのに重要となります。

それでは、七隈国英塾の作法にのっとり今回の要点を3行でまとめます。

①「非制限用法」は「先行詞を修飾しない」(「制限用法」は「先行詞を修飾する」)
②「非制限用法」は「前から訳する」
(「制限用法」は「後ろから訳をする」)
③「複合関係詞」は「名詞節・副詞節」
(「関係詞は形容詞節、whatだけ名詞節」)

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

前回:(第15回)「関係詞①『関係代名詞』と『関係副詞』の違い」

次回:(第17回)「仮定法とは?『4つの仮定法』」

目次

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1.「非制限用法」は「先行詞を修飾しない」(「制限用法」は「先行詞を修飾する」)

関係詞の「非制限用法(「,」が付く)」と「制限用法」の分かりやすい違い

まず、分かりやすい例文をあげます。

He has two sons, who become kings.
「彼には二人の息子がいて、彼らは王様になりました」(非制限用法「,」あり

He has two sons who become kings.
「彼には王様になった2人の息子がいます」(制限用法)普通の関係詞

どっちの文も同じ意味に見えますが、実はかなり意味が変わることがあります。

下の図1は「非制限用法」で、図2は「制限用法」になります。

図1「非制限用法」
図2「制限用法」

①の「非制限用法」では彼には息子が2人いて、その2人の息子たちが王様になったという意味です。

②の「制限用法」では彼には多くの息子がいて、そのうち2人が王様になったという意味になります。

なぜこのような違いが生じるのでしょうか?

そもそも「制限」とは何?

結論から言うと

制限」=「修飾です。

修飾」=「限定」です。

修飾って何?」と生徒さんに質問すると、「詳しく説明する」と返ってきます。

正しいのですが、私なら図を書きながら「修飾とは限定すること」と教えます。

図3「名詞を限定する形容詞」

名詞「花」があります。「花」はこの世の全ての花です。

図3を見ると分かるのですが、

形容詞「美しい」は、全ての「花」の中から「美しい」ものだけを限定しているが分かると思います。

関係詞も同じです。

前にある名詞「先行詞」を限定しているのです。

例文を挙げます。

This is the book which I read.

図4「関係詞の制限用法」

「本」はこの世の全ての本です。

先行詞「book」の中から、関係代名詞節「which I read」だけを限定しているのです

このように

非制限用法」は先行詞を制限しない用法で、

制限用法」は先行詞を制限する用法なのです。

「,」カンマが付くか付かないかで、訳の仕方や意味が変わってきます。

次の章では「非制限用法」と「制限用法」の訳仕分けについて説明します。

2.「非制限用法」は「前から訳する」(「制限用法」は「後ろから訳をする」)

「非制限用法」と「制限用法」の訳仕分けにはコツがあります。

非制限用法」は「から訳をする」
制限用法」は「後ろから訳をする」

と覚えれば大丈夫です。

図を示します。

図5「非制限用法の訳し方」
図6「制限用法の訳し方」

He has two sons, who become kings.
「彼には二人の息子がいて、彼らは王様になりました」(非制限用法「,」あり

He has two sons who become kings.
「彼には王様になった2人の息子がいます」(制限用法)普通の関係詞

①の「非制限用法」では、まず「彼には2人の息子がいる」と訳して、次に「彼らは王様になりました」と前から順に訳していくことがコツです。

②の「制限用法」では、主語「I」から一番後ろに飛んで後ろから順に訳していきます

以上で、関係詞の「非制限用法」の解説は終わりです。

次の章では、生徒さんが「良く分かんないわー」と質問してくる「複合関係詞」(~ever)について解説します。

3.「複合関係詞」は「名詞節・副詞節」(「関係詞は形容詞節、whatだけ名詞節」)

大変身!「~ever」が付くだけで品詞が変わる

まぎらわしいのですが、

関係詞の「関係代名詞」、「関係副詞」どちらも形容詞節です。

「関係詞」=「形容詞節」
「関係詞what」=「名詞節」(例外)

なのです。

形容詞とは?(補足)
「~い」「~しい」で終わる。例)大きい、赤い、美しい
・名詞を修飾する。これを「限定用法」という。関係詞は「限定用法」の形容詞と同じ働きをする
・補語Cになる。これを「叙述用法」(じょじゅつようほう)という。関係詞にこの用法はない。

しかし、

複合関係詞「~ever」になると、形容詞の働きが消えて「名詞節」「副詞節」に大変身します。

「複合関係詞」=「名詞・副詞」

なのです、

名詞とは(補足)
・物の名前のこと。例)ペン、本、花、私、彼
・「主語S」「目的語O」は必ず名詞。
・「補語C」になったりならなかったりする。「補語C」は形容詞と名詞。
・「前置詞の後ろに来る」(前置詞の目的語になると説明する文法書が多かった)

副詞とは(補足)
・名詞以外を修飾する
・文の成分(S、V、O、C)にならない。
・英語の先生が黒板に書く「波線」の部分。
・英語長文の50%以上は副詞からなる。
動詞形容詞副詞文全体、を修飾する。

He usually go to school by bus.
「彼はたいていバスで学校に行きます

This is a very beautiful flower.
「これはとても美しい花です」

I play tennis very well.
「私は とても うまくテニスをします」

I went to school yesterday.
昨日私は学校に行きました

例文を挙げます。

① I will invite whoever wants to come to the party.
「私はそのパーティーに来たい人ならだれでも招待します」(名詞節になってる)
主語Sが「I」、動詞Vが「invite」、「whoever~」が目的語Oになっている。

Whoever wants to come to the party, I will invite them.
「どんな人がパーティーに来たいとしても、私は彼らを招待します」(副詞節になってる)
副文が「whoever~」、主文が「I will invite them」。副文は副詞節

③ I will go to school whenever you want to play tennis.
「あなたがテニスをしたいときはいつでも、私は学校に行きます」(副詞節になっている)
「whenever~」が条件を表す副詞節になっている。

練習問題で複合関係詞を確認しよう

問題.「空所に入る語を、どちらか1つを選びましょう」(ヒントがあるので大丈夫です)

① This is the school ( ) I went ten years ago.
a, where b, wherever

② I will give you ( ) you want.
a, which b, whichever

③ ( ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever

④ This is the school ( ) I went to ten years ago.
a, which b, whichever c, where

⑤ No matter ( ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever c, however

ヒント
①「school」と「I went ten years ago」の関係を考えよう。「限定?」「無関係?」
②「先行詞」がある? 無い?「you」は目の前いる1人だけで、限定しようがない。
③「先行詞」がある? 無い?
④「to」に注目。後ろの文が「完成している?」「完成してない?」
⑤熟語「no matter what」=「whatever」。たとえ何が~とも

正解

① This is the school ( where ) I went ten years ago.
a, where b, wherever
「これは私が行っていた学校です」

② I will give you ( whichever ) you want.
a, which b, whichever
「私はあなたが欲しいものどちらでもあげます」

③ ( whatever ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever
「何が起ころうとも、私は意志を変えない」

④ This is the school ( which ) I went to ten years ago.
a, which b, whichever c, where
「これは私が行っていた学校です」

⑤ No matter ( what ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever c, however
「何が起ころうとも、私は意志を変えない」



解説

① This is the school ( where ) I went ten years ago.
a, where b, wherever
「これは私が行っていた学校です」

② I will give you ( whichever ) you want.
a, which b, whichever
「私はあなたが欲しいものどちらでもあげます」

③ ( whatever ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever
「何が起ころうとも、私は意志を変えない」

④ This is the school ( which ) I went to ten years ago.
a, which b, whichever c, where
「これは私が行っていた学校です」

⑤ No matter ( what ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever c, however
「何が起ころうとも、私は意志を変えない」

解説

① This is the school ( where ) I went ten years ago.
a, where b, wherever
「これは私が行っていた学校です」
「school」が先行詞、「where~」が限定している。
関係詞は先行詞(名詞)を限定する。形容詞の働きをしている。


② I will give you ( whichever ) you want.
a, which b, whichever
「私はあなたが欲しいものどちらでもあげます」
「you」は名詞だが、限定しようがない(目の前にいる1人だから)。
「give」はSVOOの第4文型をとる。
複合関係詞「whichever~」が名詞の働きをしている。


③ ( whatever ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever
「(  )happens,」の部分が副文なので、副詞節になる。
関係詞「what」は名詞節を導く。
複合関係詞「whatever」は副詞を導くので、これが正解。

④ This is the school ( which ) I went to ten years ago.
a, which b, whichever c, where
「これは私が行っていた学校です」
「school」が先行詞、「where~」が限定している。
前置詞「to」がポイント。これがあることで「文章が完成しない」。
関係代名詞「which」は後ろの文章が完成しない
関係副詞「where」は後ろの文章が完成する


⑤ No matter ( what ) happens, I will not change my mind.
a, what b, whatever c, however
「何が起ころうとも、私は意志を変えない」
熟語「no matter what」=「whatever」「たとえ何が~でも」
一緒に覚えよう「no matter how」=「however」「たとえどんな~でも」

国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

「現代文」「古文」「英語」のまとめリンクになっています
第1回に参考書・問題集の紹介を行っております。
できるだけ分かりやすく伝えることで、皆さんの成長のきっかけとなれば良いなあと思っています。

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

前回:(第15回)「関係詞①『関係代名詞』と『関係副詞』の違い」

次回:(第17回)「仮定法とは?『4つの仮定法』」

以上で、第16回「関係詞②非制限用法と複合関係詞」は終わりです。

ご精読ありがとうございました。

今回取り扱った非制限用法と複合関係詞は、長文読解で役に立つ単元です。普通の関係詞との違いを理解して、練習を繰り返していくといいと思います。

次回は第17回「仮定法とは?『4つの仮定法』にする予定ですので、よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。

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