国語の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第12回)「連用形接続の助動詞『き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし』」

みなさんはじめまして。

七隈国英塾の杉久保英司と申します。当ホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回は(第12回)「未然形接続の助動詞『き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし』」を解説していきます。

助動詞は「掛け算九九」みたいなものです。
九九ができなければ分数の足し算・掛け算が出来ないのと同様に、
助動詞が分からなければ古文はわかるようになりません

それでは、今回の要点を2行でまとめます。

①まずは「接続」を覚えよう
②連用形接続の「意味」と「解説」

★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介

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この記事はこんな人が書いています

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1.まずは「接続」を覚えよう

接続とは?

「上が何形か」ということです。

例を挙げます。
助動詞「まほし(~したい・願望)」の接続は未然形で、
助動詞「たし(~したい・願望)」の接続は連用形です。

助動詞「まほし」「たし」は
意味は「願望・~したい」で同じですが、
接続(上の形)が違います

つまり
まほし」の上が未然形で、
たし」の上が連用形になります。

例文
呼ばまほし。
呼びたし。
となります。

呼ぶ(四段動詞)
未然(ず)呼ば
連用(て)呼び
終止(。)呼ぶ
連体(とき)呼ぶ
已然(ど)呼べ
命令呼べ

「ず」「て」「。」「とき」「ど」「命令」で活用させよう

「ず」「て」「。」「とき」「ど」「命令」

をつけて活用させましょう。

走る(四段)流る(下二)老ゆ(上二)射る(上一)
未然(ず)走ら流れ老い
連用(て)走り流れ老い
終止(。)走る流る老ゆいる
連体(とき)走る流るる老ゆるいる
已然(ど)走れ流るれ老ゆれいれ
命令走れ流れよ老いよいよ

1語1語覚えるのではなく、全ての助動詞の「接続」→「意味」→「活用」の順で覚えよう

助動詞の1つ1つの「接続」「意味」「活用」を覚えるのは大変で非効率的です。


例えば
助動詞「まじ」

接続「終止形・ラ変の連体形接続」
意味「打消し推量・打消し意志・不可能・禁止・不適当」(「」)
活用「下の表」

べし(主活用)ず(副活用)下が助詞・助動詞の時
未然まじくまじから
連用まじくまじかり
終止まじ
連体まじきまじかる
已然まじけれ
命令
「べし」の活用

これを27個もある助動詞で繰り返すのは無理です。
私もこのやり方で失敗しました。


1つの助動詞の「接続」「意味」「活用」を全て覚えて
これを27個分繰り返すのではなく。

まず、全ての助動詞の「接続」を覚えて
次に、全ての助動詞の「意味」を覚えて
最後に、全ての助動詞の「活用」覚えるのです。

まずは「接続」を覚えましょう

助動詞の接続

未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」

連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」

終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」

体言・連体「ごとし・なり・たり」

サ未・四已「り」

(さみしい・サ変未然/四段已然)

200人以上の高校生・中学生に古文を教えてきましたが、
驚くことに
95%の生徒さんはこれを知りません
皆さんなんとなく古文を解いています。

私の古文の最初の授業はこれを覚えてもらいます。
「九九」が出来なければ、「分数の計算」ができないのと同様に、
「助動詞」が出来なければ、「古文」はできるようにならないからです
だから、高校1年生で1年間かけて助動詞の学習をするのです。

助動詞の「接続」を覚えるだけで、
平均で45分
遅い生徒さんで1時間30分かかります。
最速で中学2年生の25分です。

声を出して音声で「耳」に覚えさせましょう(超重要)

よく忘れるので、身につくまで何回も繰り返しましょう

ここを突破できなければ、古文学習の先はありません(マジでどうしようもないかも)

逆に言えば、
ここさへ突破できれば

「古文学習」の門が開く!

のです。

45分かけて
声に出しながら
これだけに集中しましょう。

助動詞の接続(これだけに集中すれば、45分で1度は完ぺきにできる)

未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」

連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」

終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
(ラ体=ラ変連体形)

体言・連体「ごとし・なり・たり」

サ未・四已「り」

(さみしい・サ変未然/四段已然)

2.未然形接続の「意味」と「解説」

今回は「連用形接続の助動詞」
「き」「けり」「つ」「ぬ」「たり」
「けむ」「たし」

だけの「意味」と「解説」です。

解説」とは
実際の試験問題を想定して、
知っておくと得点になるポイント
を解説するものです。

意味
(自分)過去」(~した)
「けり」は「(他人)過去」
「き」「けり」で主語の特定ができる。
解説
意味よりも活用の方が重要。必ず覚えよう

未 連 終 体 已  命
 ○ き し しか ○

特に未然形「せ已然形「しかが思いつかない。
問題
過去の助動詞「き」を適切な形に直そう
①「かくこそ思い(き)。」
⓶「世の中にたえて桜のなかり(き)ば、春の心は のどけからまし」





正解
①「かくこそ思い(しか)。」
正解は「しか」。係助詞「こそがあるので、過去の助動詞「き」は已然形「しか」になる。

係助詞5種
「ぞ・なむ・や・か」→連体形
「こそ」→已然形

⓶「世の中にたえて桜のなかり(、春の心は のどけからまし
正解は「」。反実仮想の助動詞「ましがあるので、接続助詞「ば」は順接仮定条件。「ば」未然形接続なので、過去の助動詞「き」は未然形「せ」になる。

反実仮想の4つの形
~ば、~まし。
ば、~まし。
ませば、~まし。
ましかば、~まし。
まぜ」「ましか」は反実仮想の助動詞「まし」に未然形。

けり

意味
「(他人)過去(~した)」
詠嘆(~だなあ)
解説
「き」は自分過去で自分の動作につける。
けり」は他者過去で自分以外の動作につける
よって、「き」「けり」で主語の特定ができる

「走り」「(自分が)走った」
「走りけり」「(自分以外の人が)走った」

解説2
「詠嘆(~だなあ)」となるときは2つの場合。
和歌の中の「けり」は詠嘆
自分のことなのに他者過去「けり」を用いる場合。
「昔は物を思はざりけり
「(私は)若いころは物事を深く考えなかったなあ


つ・ぬ

意味
「完了(~した)」
強意(きっと~)」(下に推量系助動詞)
解説
助動詞「つ」「ぬ」下に推量系助動詞(終止形・ラ変の連体形接続の助動詞が多い)がつくと、「強意(きっと)の意味になる。これを確述用法」という。とにかくよく出題されるので代表的な8つの確述用法は覚えましょう

花咲きむ。「花がきっと咲くだろう」

8つの「確述用法」
てむ・なむ・つらむ・ぬらむ・つべし・ぬべし・てまし・なまし

なむ」の識別(4種類)
①未然形接続→願望の終助詞「なむ」
⓶連用形接続→「確述用法」「」+「む」
③様々な語に接続→係助詞「なむ」
④ナ変動詞(死ぬ・去ぬ・往ぬ)の未然形+
助動詞「む」(スイカ止めて+婉曲)

解説2
「ぬ・ね」の識別が超重要未然形接続なら「打消し」の助動詞「」。連用形接続なら「完了」の助動詞「」。
立たぬ扇風機。「風が吹かない扇風機(打消)」
立ちぬ。「風が吹い完了)」
風や立たぬ。「風が吹かない(打消
解説3
水流れ。「水が流れない?水が流れた?」
流れ流れ・流る・流るる・流るれ・流れろ」のように、未然形と連用形が同形のとき活用を覚えていないと分からなくなる。なので、活用は絶対覚えよう。「水流れぬ」の「ぬ」の後ろが「。」なので「ぬ」は終止形終止形が「ぬ」なのは「完了」の助動詞「ぬ」(な・に・・ぬる・ぬれ・ね)。
水流れぬ。「水が流れた(完了)」

たり

意味
「完了(~した)」
「存続(~している)」
解説
英語の完了形「have Vpp」と同じ。
完了・存続の助動詞「り」とは接続が違う。
「たり」連用形接続
「り」サ変の未然形と四段已然形接続(さみしい)

呼びたり「呼んだ・呼んでいる」
呼べり「呼んだ・呼んでいる」

未 用 終 体 已 命
ば  ぶ ぶ  べ

けむ

意味
「過去推量(~しただろう)
過去婉曲(~したような)」(下に体言の場合)
解説
婉曲」とは「回りくどい表現」のこと「~ような」と訳す。
・「あなたのことが好きだー」(ド直球)
・「あなたのような人が好きよ」(婉曲
「けむ」の下に「体言(=名詞)」がくると婉曲になる
解説2
終止形・ラ変の連体形接続の助動詞「らむ」と似ている。ついでに覚えておこう。
「らむ」
「現在推量(~しているだろう)」
「現在婉曲(~しているような)」

「けり(過去)」+「む」=「けむ」?
「らし(推定)」+「む」=「らむ」?

「む・むず」=スイカ止めて+婉曲

婉曲の意味をもつ助動詞は5つ
「む」「むず」「けむ」「らむ」「めり」
「めり」だけ仲間外れな感じがするけど、「婉曲仲間」に入れてあげよう。

たし

意味
「願望(~したい)」
解説
まほし」と「たし」の識別は接続しか問われない。
未然形+「まほし
連用形+「たし
男子かくあらまほし。
男子かくありたし。
「あり(ラ行変格活用)」
・り・る・れ・れ)

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以上で、第11回「未然形接続の助動詞『る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほし』」は終わりです。

ご精読ありがとうございました。

今回取り扱った助動詞は、基本中の基本です

次回は第12回「連用形接続の助動詞『き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」にする予定ですので、よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。

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