【古文】助動詞の「意味」を1時間以内で覚える(第18回)
古文の学習において「助動詞」の意味は非常に重要です。
・「掛け算九九」を覚えてないから、「分数の四則算」ができない。
・「助動詞」を覚えてないから、「古文の問題」が解けない。
全く同じ構図です。
高校1年生で学習した「助動詞一覧表」の「接続・意味・活用」を覚えなければ、古文学習は一歩も進ません(はじめの一歩目が地獄)。
また、私文系大学はめちゃくちゃ「助動詞の文法がらみの問題」を出してきます。
よって、大学受験の古文において「助動詞」からは決して逃げることができないのです。
でも、皆さん「助動詞一覧表」を覚えるのはつらいですよね。ムリゲーですか?諦めちゃいますか?
私自身は覚えるのに「6か月」かかりました。早い人は「1週間」で覚えるそうですよ。学習適正が高い人はいいですよね。
でも、「私が教える生徒さん」はもっと早いです。
平均「3時間」です。
マジです。
あれをです。「助動詞一覧表」全部をです。
300人以上を個別で教えてきましたが、ほとんど例外がありません。
今回は
助動詞の「接続・意味・活用」の中で、皆さんが最も覚えるのが難しいと助動詞の「意味」を1時間以内で覚える記事を書きました。
ぜひ参考にしてください。
この記事はこんな人が書いています
塾長紹介
杉久保英司(すぎくぼ えいじ) 1976年生まれ。宮崎県出身。 九州大学教育学部(卒業)。 九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻 臨床心理指導・研究コース(修了)。
ラーメン屋のバイトをしながら、独学で九州大学合格。 在学中から家庭教師・塾講師をはじめ 指導歴20年指導人数350名以上。
2020年に七隈国英塾を開きました。
「いくら勉強しても国語が出来るようにならない」生徒さんのための「国語のオンライン個別授業」開講
「国語のオンライン個別指導」が始まりました。
国語ができなくて、受験前から諦めかけているご家庭のためのサービスです。遠方のご家族から寄せられたご要望により開講いたしました。
★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介
前回:第17回「古文に出てくる「なむ」の識別法:使い分けと見分け方」
次回:未定
Youtube版も見て下さいね!
「推量系助動詞」を制すれば、助動詞の8割を制す
推量系助動詞とは?
推量系助動詞とは
・終止形・ラ変の連体形接続の助動詞「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
・助動詞「む」の一族「じ・む・むず・けむ・らむ(「む」ファミリー)」
のことです。
助動詞の接続(この章の範囲「推量系助動詞」)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
「べし」≒「む」を覚えよう(≒ほぼ同じ)
「べし」の6つの意味「スイカ止めて」(3分で覚えよう)
①ス「推量」(~だろう)
②イ「意志」(~したい)
③カ「可能」(~できる)
④止「当然」(~しなければならない)
⑤め「命令」(~しなさい)
⑥て「適当」(~したほうがいい)
「テスト冥界(てすとめいかい)」で覚える人もいる。
ここには堕ちたくないですね。
「む」の7つの意味「スイカ止めて+婉曲」(3分)
①ス「推量」(~だろう)
②イ「意志」(~したい)
③カ「可能」(~できる)
④止「当然」(~しなければならない)
⑤め「命令」(~しなさい)
⑥て「適当」(~したほうがいい)
⑦婉曲(えんきょく)(~のような) 「む」+体言のとき、「~のような体言」。
体言=名詞(花、鉛筆、手紙)
補足
スイカ替えて(推量、意志、可能、仮定、婉曲、適当)
で覚えてもいい。
大学受験での「む」は「婉曲、推量、意志」しか出ないと思ってもいいから、どっちで覚えても困りません。
婉曲は「回りくどい」の意味(超重要・超頻出)
「私はあなたが好きです」→ド直球なものの言い方。
「私はあなたのような人が好きよ」→婉曲的なものの言い方
婉曲は「む」+体言のとき。使用頻度がとても高く、「む」の50%以上は「婉曲」の意味で用いられている(平安期)。次に多いのが「推量・意志」で45%。残りの5%は「可能・当然・命令・適当」
次に「まじ」⇔「べし」≒「む・むず」⇔「じ」は図で覚えよう
「まじ」⇔「べし」≒「む・むず」⇔「じ」(3分)
「む」=「スイカ止めて+婉曲」の7つ
「むず」=「スイカ止めて+婉曲」の7つ
「む」と「むず」は100%同じ。
「じ」=「打消し推量」と「打消し意志」の2つだけ
「notスイ」で覚えよう。
頻度の低い「可能、当然、適当」が消えた形
未然形接続の助動詞「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほし」
「べし」=「スイカ止めて」の6つ(婉曲が無い)
「まじ」=打消し「スイカ止めて」の6つ(婉曲が無い)
「notスイカ止めて」で覚えよう。
(will not, can not, shuld not, may not)
「打消し意志、不可能、禁止、不適当」
終止形・ラ体接続の助動詞「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
「む」と「むず」は100%同じと覚えても大丈夫です。
「むず」は「むとす」が変形したものと言われている。
「む」と「べし」の違いは「婉曲」が有るか無いだけです
「む」ファミリーを覚えよう
未来「む・むず」「じ」、現在「らむ」、過去「けむ」(3分)
「む・むず」スイカ止めて婉曲
「じ」 not スイ
ちょっと未来のことに使う。
だから、未然形接続になる。(未然形=まだ存在しない形)
未然形接続の助動詞「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほし」
「らむ」現在推量(~しているだろう)現在婉曲(~しているような)
「けむ」過去推量(~していただろう)現在婉曲(~していたような)
「らむ」+体言、「けむ」+体言のときは婉曲になる。
「らむ」は「らし」と「む」の子ども。終止形・ラ体接続の助動詞
「けむ」は「けり」(過去)と「む」の子ども。だから、連用形接続の助動詞
連用形接続の助動詞「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
推定「めり」「らし」「なり」は根拠がある
推定助動詞「めり・らし・なり」には根拠がある
終止形・ラ変の連体形接続=推量系助動詞
のなかでも「めり・らし・なり」は「推定系動詞」と呼ばれます。
「推量」と「推定」の違いは、「推定」には根拠となる情報があるということです。
終止形・ラ体接続の助動詞「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」(推量系助動詞)
めり・らし・なり=「見ざる・聞かざる・言わざる」(三猿)
で覚えましょう。
「めり」視覚推定(~のようだ)、婉曲(~ような)
「ようだ、ような」で覚えよう。
婉曲の意味を持つ助動詞は5種(超重要)
「む」ファミリー(む・むず・らむ・けむ)+「めり」
「らし」聴覚推定(~らしい)
「なり」伝聞推定(~という噂の)
「めり」視覚情報からの推定(目あり)で覚えよう
「教室に入ると、隣の席のA君の席が空いていた」
「Aくんは休みのようだ」
「らし」聴覚情報からの推定
「朝目覚めると、台所からトントンと大根を切る音が聞こえる」
「朝ごはんは味噌汁らしい」
「なり」噂からの推定(伝聞推定)
奥山に猫又といふものがありて、人を食らふなり。
奥山に猫又という化け猫がいて、人を食べるという噂だ。・
終止形・ラ体接続の助動詞「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」(推量系助動詞)
「サ変未然・四段已然(さみしい)」接続→「e段」
助動詞の接続(この章の範囲 完了「り」)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」←ココ
(さみしい・サ変未然/四段已然)
さみしい(サ変未然・四段已然)=e段
サ変「す」 | 四段「走る」 | |
未然(ず) | せ(e段) | 走ら |
連用(て) | し | 走り |
終止(。) | す | 走る |
連体(時) | する | 走る |
已然(ど) | すれ | 走れ(e段) |
命令 | せよ | 走れ |
「サ変未然・四段已然(さみしい)」=「e段の下につく」
①「サ未四已然(さみしい)の『り』は完了の『り』」
②「e段につく『り』は、完了の『り』」
で覚えましょう。この形で覚えておくと困ることはなくなるでしょう。
【発展】「る・れ」の識別
助動詞の接続(「る・れ」の識別)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」←ココ(受可自尊「じゅかじそん」)
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」←ココ(完了)
(さみしい・サ変未然/四段已然)
例題「完了の『り』を選びましょう」
①師匠走らる。
②師匠走れる時、
解答
②「師匠走れるとき」の「る」(完了)
解説
①師匠走らる。
②師匠走れる時、(e段)
①「走ら」が「e段以外」。師匠は偉いので尊敬の「る」
④「走れ」が「e段」。よって「る」は完了の「り」
要点は、上が「e段」か「e段以外か」で、完了「り」かそうでないかを見分けましょう
体言・連体形接続「ごとし」「なり」「たり」
助動詞の接続(体言・連体形接続)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」←ココ
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
「ごとし」比況・例示(状況と比べたり、例を示したりする)
「なり・たり」=断定「~である」
以上です。特に言うことはありません。
「なり」の識別(重要)
助動詞の接続(「なり」の識別)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」←ココ(伝聞推定「~という噂の」)
体言・連体「ごとし・なり・たり」←ココ(断定「~である」)
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
問題「2つの『なり』を識別して訳しましょう」(下にヒントがあります)
男もすなる日記といふものを、女の私もしてみんとてするなり。(土佐日記・紀貫之)
ヒント
①「なり」の接続を見よう。
②男もすなる日記といふものを、女の私もしてみんとてするなり。
サ変動詞「す」
未然 せ
連用 し
終止 す
連体 する
已然 すれ
命令 せよ
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」←ココ(伝聞推定「~という噂の」)
体言・連体「ごとし・なり・たり」←ココ(断定「~である」)
正解
男もすなる日記といふものを、女の私もしてみんとてするなり。
「男がするという噂の日記というものを、女の私もしてみようとしてするのだ」
男もすなる。伝聞推定の「なり」
するなり。断定の「なり」
「まほし」「たり」=願望。接続が異なるだけ
助動詞の接続(「まほし」「たし」願望)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」←ココ
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」←ココ
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
助動詞「まほし(~したい・願望)」の接続は未然形で、
助動詞「たし(~したい・願望)」の接続は連用形です。
接続が違うだけです。
例文
呼ばまほし。(呼びたい)
呼びたし。(呼びたい)
となります。
呼ぶ(四段動詞) | |
未然(ず) | 呼ば |
連用(て) | 呼び |
終止(。) | 呼ぶ |
連体(とき) | 呼ぶ |
已然(ど) | 呼べ |
命令 | 呼べ |
「連用形接続」=「過去・完了系助動詞」
助動詞の接続(連用形接続=過去・完了系助動詞)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」←ココ
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
連用形接続→過去・完了系助動詞
終止形・ラ変の連体形接続→推量系助動詞
と覚えましょう。
「き」=自分過去、「けり」=他人過去
「き」=「(自分)過去」(自分が~した)
「けり」=「(他人)過去」(他人が~した)詠嘆(~だなあ)和歌の中
「き」「けり」で主語の特定ができる。
和歌の中の「けり」は詠嘆。区切れ(初句切れ・3区切れとか)になることも重要。
切れ字=や・かな・けり
「つ」「ぬ」=完了・強意
完了=「~た」
強意=「きっと」
重要なのは「強意」の方。(超重要)
「つ・ぬ」+推量系助動詞。確述用法8種(かくじゅつようほう)
確述用法
『完了』「つ・ぬ」が『強意』(きっと)に変身する用法
完了の助動詞「つ・ぬ」は後ろに「推量系助動詞」がつくと、強意「きっと」に変化する。
これを「確述用法」という。「確実に述べる」から「きっと」という訳になる。
てむ、なむ、(きっと+スイカ止めて婉曲)
つらむ、ぬらむ、(きっと+~しているだろう、ような)
つべし、ぬべし、(きっと+スイカ止めて)
てまし、なまし(きっと+~だろう)
む・まし=未然形接続
べし・らむ=終止形・ラ変の連体形接続
この8種確述用法は
必ず暗記しよう。(超頻出)
特に「なむ」の識別は重要
つ(下二) | ぬ(ナ変) | |
未然(ず) | て | な |
連用(て) | て | に |
終止(。) | つ | ぬ |
連体(とき) | つる | ぬる |
已然(ど) | つれ | ぬれ |
命令 | てよ | ね |
【補足】
「なむ」の識別(4択)(余裕のある人は読もう)
①花咲かなむ。
②花咲きなむ。
③花なむ咲く。
④死なむ
①未然形+「なむ」、他者に対する願望の終助詞「~してほしい」
②連用形+「なむ」、完了「ぬ」の未然形「な」+スイカ止めて婉曲「む」(確述術用法)
③体言、様々な語+「なむ」、係助詞「なむ」
④ナ変動詞「死ぬ」「去ぬ」「往ぬ」の未然形の活用語尾+スイカ止めて婉曲「む」
「たり」「り」完了・存続。接続が違うだけ
助動詞の接続 完了(~た)・存続(~している)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」←ココ
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」←ココ
(さみしい・サ変未然/四段已然)
「けむ」は「む」ファミリー
助動詞の接続 「けむ」過去推量(~しただろう)・過去婉曲(~したような)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」←ココ
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
婉曲(~ような体言)持ちは5種
「む」ファミリー(む・むず・けむ・らむ・)と「めり」
「る・らる・す・さす・しむ」は下二段
助動詞の接続(あと少しだ。頑張れ)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」←ココ
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
「る・らる」=受可自尊(じゅかじそん)
る・らる
意味
「受け身・可能・自発・尊敬」
「じゅかじそん」と声に出して覚えよう。
解説
現代語にも残っていて、「受可自尊」は文脈判断。
「る」と「らる」の違いは、上が「a段」なら「る」
上が「a段以外」なら「らる」になる。
走らる・死なる・はべらる
流れらる・老いらる。射らる。
解説2
「る・れ」の識別が超重要。上が「e段」なら完了の助動詞「り」。「a段」なら受可自尊(じゅかじそん)の助動詞「る」。接続で100%識別可能。
先生が走れる「先生が走った(完了)」
先生が走らる「先生がお走りになる(尊敬)
「す・さす・しむ」は「~せ給ふ・~させ給ふ」
す・さす・しむ
意味
「使役(~させる)「尊敬(~なさる)」」
解説
「~せ給ふ」「~させ給ふ」の識別が超重要。「二重尊敬(尊敬+尊敬)(~なさる)と「使役+尊敬(~させなさる)」の2択で文脈判断。
本を読ませ給ふ
本をお読みになった(二重尊敬)
本を読ませなさった(使役+尊敬)
「二重尊敬」では本を読んだのは偉い人。
「使役+尊敬」では本を読んだのは下の者。
主語の特定が古文では重要になる。
解説2
上が「a段」なら「す」
上が「a段以外」なら「さす」になる。
「す・さす」と「しむ」の使い分けは受験生は気にしなくてよい。
「まし」反実仮想
助動詞の接続(ラスト)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」←ココ
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
まし
意味
「反実仮想(もし~ならば、~だろう)」。「反実仮想」は、英文法の「仮定法」まったくと同じ。「事実とは反する~という仮定をしたならば、~という結論に至るだろう」という意味になる。
解説
「~ば、~まし」
「~せば、~まし」
「~ませば、~まし」
「~ましかば、~まし」
の4つの型を覚えよう。
問題
「~せば、~まし」の「せ」の品詞と意味をすぐに言える人は相当古文が出来る人。みんなも考えてみよう。(答えは後述します)
答え
「過去」の助動詞「き」の未然形。
(せ・○・き・し・しか・○)
「~せば、~まし」は「あの時~していたら、~だっただろう」という「事実とは反する過去の仮定、過去の結論」の文になる。英語で言えば「仮定法過去完了」(時制は過去)と全く同じ。よくわからない人は英語も勉強しよう。
まとめ:助動詞の意味を極めよう
本記事のまとめとして、「助動詞」を意味の系統ごとに分けてみました。再確認しましょう。
・青=推量系助動詞
・橙=過去・完了系助動詞
・灰=願望
助動詞の接続(お疲れさまでした)
未然形接続「る・らる・す・さす・しむ / ず・じ・む・むず・まし・まほし」
連用形接続「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」
終止・ラ体「べし・まじ・らむ・めり・らし・なり」
体言・連体「ごとし・なり・たり」
サ未・四已「り」
(さみしい・サ変未然/四段已然)
「助動詞」の意味を理解し、反復しながら覚えることが重要です。
本記事が、古文の理解する助けになれば幸いです。
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