現代文の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第5回)「選択問題の解き方『消去法の5つのコツ』(センター試験タイプ)」
みなさんはじめまして。
七隈国英塾の杉久保英司と申します。当ホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は(第5回)「選択問題の解き方『消去法の5つのコツ』(センター試験タイプ)」を解説していきます。
「消去法」には、「書いていない」「反対」「ズレ」「言い過ぎ」「キズ」の5つの根拠があり、センター試験型の現代文を解くには必要不可欠な解き方です。
「書いていない」「反対」「ズレ」で、2択にまでは絞れます。現代文が絶望的にできない人、試験までに時間が無い人、国語にあまり時間を割けない理系の人は、最低これらを使って何とか2択にしましょう。それなりにまとまった点数が入るはずです。
「言い過ぎ」「キズ」は本文をちゃんと読める人向けです(安定して70%以上を取れる人)。筆記式の問題も解ける人、センターで高得点を狙っている人、センターの解答に納得がいっていない人は、これらを意識して問題作成者が作った「ひっかけ問題」に引っ掛からないようにしましょう。
それでは、七隈国英塾の作法にのっとり今回の要点を3行でまとめます。
①「書いてない」「反対」「ズレ」で2択までには絞ろう(とりあえずこれから始めよう)
②「言い過ぎ」「キズ」で残り2つを1つに絞ろう(センター8割以上を目指す人)
③「2択に絞れる人」の2つのタイプと勉強法「本文が読めてない人」「読めてるけど引っ掛かる人」
(第8回)「選択問題の解き方『消去法の5つのコツ・線引きのコツ』(共通テスト)2024年最新版」
①「消去法」と「直接法」
②「正解」と「不正解」の4つの基準
③「2択で迷ったら?」
④「消去法」の5つの基準
⑤「早く読む・解く『線の引き方』」
2024年共通テストのために、緊急upしました。
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★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介
前回:現代文(第4回)「論説文の読み方②指示語」
次回:現代文(第6回)「『抽象』と『具体』で必要な所だけ抜き出し解答する方法」
1.「書いてない」「反対」「ズレ」で2択までには絞ろう
消去法「書いてない」「反対」「ズレ」とは
消去法3種「書いてない」「反対」「ズレ」
「書いてない」
「以下の文章を読んで各問いに答えよ」と問題冒頭に書かれているので、本文中に書かれていないものはすべて無効です。内容が「一般常識や道徳的に考えて正しくても無効」です。
ただし、本文中に直接記載が無くても「本文中に書かれている内容から導き出せるもの」は正解になる場合があります(詳しくは2章と3章で解説)。
「反対」
本文中に書かれてあっても、「筆者の主張と違う場合」「登場人物の心情と異なるもの」は無効。例えば、「逆接の接続詞の前に書かれてある内容」は、作者と反対の意見です。対比構造に注意しましょう。
また、「選択肢に否定語」などがついて、意味が逆になるものも無効です。
「ズレ」
選択肢に細工がしてあって、「筆者が主張していることの内容が変わっているもの」は無効です。
また、本文中に記載があっても「設問の答えになっていない選択肢」は無効です。
練習問題で「書いてない」「反対」「ズレ」を根拠に消去してみよう
問題1「傍線部の内容と合致するものを次の5つ中から1つ選びましょう」
「また『書いてない』『反対』『ズレ』のどれに当てはまるか考えましょう」
正しい英作文を書けるようになる方法①
それでは、正しい英作文を書けるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。まず、使用頻度の高い基本例文を最低100、できれば600くらい覚えます。皆さんの言いたいことは分かります。とても面倒くさいです(毎回とても嫌な顔をされます)。しかし、正しい英作文を書けるようになるためには、ここから始めるしかないと思います。例えば、英語自在にしゃべれる人は頻出の英会話文が音として体の中に入っています。体の中にある会話文の音を使って話しているのです。英作文も同様です。身に着けた正しい基本例文を使って、正しい英作文を作るのです。無から有は決して生まれないのです。
英語の解き方や勉強法、参考書や問題集の紹介(第1回)「英語の単語、文法、長文、英作文の勉強のやり方」から引用。
①面倒くさいので、基本例文を覚えてはならない。
②面倒くさがられるけど、基本例文を教え込むのは大変である。
③英語を自在に話せる人は、体の中にある音を使って正しい英作文を書くことができる。
④無から有は生まれないので、正しい英作文を書くためには基本例文を覚えるしかない。
⑤正しい英作文とは、英語を話せる人から見て正しい英作文である。
正解
④無から有は生まれないので、正しい英作文を書くためには基本例文を覚えるしかない。
①面倒くさいので、基本例文を覚えてはならない。(反対)
②面倒くさがられるけど、基本例文を教え込むのは大変である。(書いてない)
③英語を自在に話せる人は、体の中にある音を使って正しい英作文を書くことができる。(ズレ)
④無から有は生まれないので、正しい英作文を書くためには基本例文を覚えるしかない。
⑤正しい英作文とは、英語を話せる人から見て正しい英作文である。(書いてない)(ズレ)
解説
それでは、正しい英作文を書けるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。まず、使用頻度の高い基本例文を最低100、できれば600くらい覚えます。皆さんの言いたいことは分かります。とても面倒くさいです(毎回とても嫌な顔をされます)。しかし、正しい英作文を書けるようになるためには、ここから始めるしかないと思います。例えば、英語自在にしゃべれる人は頻出の英会話文が音として体の中に入っています。体の中にある会話文の音を使って話しているのです。英作文も同様です。身に着けた正しい基本例文を使って、正しい英作文を作るのです。無から有は決して生まれないのです。
まず、「傍線部の中にある指示語が何を指しているのかを明らかにしましょう」。ちゃんと気づきましたか?。基本中の基本です。指示語「ここ」が指している内容は「使用頻度の高い基本例文を最低100、できれば600くらい覚えます」です。
よって、この文の主旨(筆者の主張)は「正しい英作文を書けるようには基本例文を覚えるしかない」ということです。
いきなり選択肢を見るのではなく、まず正解の「あたり」を付けるところから始めましょう。
つぎに、逆接の接続詞「しかし」に注目しましょう。逆接の前に書かれているのは筆者と反対の意見です。①「面倒くさい」の部分は筆者と反対の意見です。
また「②基本例文を教え込むのは大変」なのは一般的に見て正しいかもしれないのですが、本文に記載が無いので、「書いてない」に該当します。
③「ズレ」は少し難しかったかもしれません。「英会話」=「音」、「英作文」=「基本例文」の呼応の関係が、「英作文」=「音」にすり替わっています。
また、⑤「英語を話せる人から見て正しい英作文」は本文に記載がありませんし、本文の内容から読み取れる内容でもありません。よって「書いてない」に該当します。(設問要求にも応えていないので「ズレ」でもいいかもしれません。)
消去法は「絶対」ではない。本文がちゃんと読めることが重要
「書いてない」「反対」「ズレ」で2択までには絞れると思います。「本当に時間が無い人」や「国語が絶望的にできない人」や「国語がそれほど重要でない人」はこれで何とかするしかないと思います。
しかし、消去法は絶対ではありません。
弱点としては「すべての選択肢の正誤を、本文と参照しながら消去するので、とにかく時間がかかる」ことが挙げられます。
本文から筆者の主張を読み取り、選択肢を見る前に正解の「あたり」がある程度ついていないと、消去法だけでは時間がかかってしまいます。特に最近のセンターはテキスト量がものすごく多く、この傾向は変わらないと思われるので、時間が足りなくなると思います。
また、本文がちゃんと読めていない人が「言い過ぎ」「キズ」のテクニックを知ったとしても、有効に使うことができません、そればかりか、逆に混乱が増すばかりになるでしょう。これらはある程度本文が読める人が「本文を読める人をひっかけるために用意した問題」に引っ掛からなくするためのテクニックです。
例えば、先ほどの問題の正解
④「無から有は生まれないので、正しい英作文を書くためには基本例文を覚えるしかない」
を「言い過ぎ」を根拠に✖にして、②「面倒くさがられるけど、基本例文を教え込むのは大変である」を〇にした人はいませんか?。筆者が本文中でそう言い切っているので、「言い過ぎ」ではないのです。
消去法に限界を感じている人は「筆者の主張をしっかり読める」「登場人物の心情を根拠を挙げながら読み取る」ことを目標にして、じっくりと演習を重ねましょう。論説文なら「接続語」「指示語」に注意して、正しいフォームで「筆者の主張」を読み取れるようにしましょう。小説文なら「セリフ」「行動・身体的変化」「心象風景・場面」に注目して、「登場人物の心情」を読み取れるようにしましょう。
★現代文の勉強法に悩んでいる人・参考書を探している人はこちら★
第1回「現代文ができない3つの要因」
★消去法に限界を感じている人はこちら★
第2回「小説文の読み方」
第3回「論説文の読み方①接続詞」
第4回「論説文の読み方②指示語」
この章をまとめ
・「書いてない」「反対」「ズレ」で2択までには絞ろう
・消去法だけでは時間がかかりすぎる
・選択肢を見る前に、ある程度は正解の「あたり」を付けれるようになろう
2.「言い過ぎ」「キズ」で残り2つを1つに絞ろう
「言い過ぎ」「キズ」とは
消去法「言い過ぎ」「キズ」
「言い過ぎ」
選択肢に強く限定する言葉「絶対」「~のみ」「~しか」「~ありえない」が使われ、筆者の主張より「言い過ぎ」になって無効になるパターン。「キズ」の一種と言ってもよい。
ただし、筆者が本文中で「強い言葉」を使っている場合は正解になるので注意。間違って消さないようにしよう。
「キズ」
「玉にキズ」の「キズ」。「玉」は宝石よりも価値が高いとされた「玉石」の事。正解だと思った選択肢(要するに玉)に致命的な「キズ」がついて無効になるパターン。
助詞の付け方1つ(「~は」「~も」など)でも、意味が変わったり、例外が出てきたりするので、注意して読まないと引っかかる(時間が無く、心理的極限状態であるセンター型試験ならなおさら)。
最後まで残る「2択の選択肢」の傾向(配点が高く、正答率の低く、後半に多い問題)
A
「筆者の主張」や「登場人物の心情」に合致し、記述問題の正答のように「要点がよくまとまっている」。しかし、確実に不正解とされるべき箇所が存在しているため、無効となる。いわゆる「ひっかけ選択肢」。「言い過ぎ」「キズ」が無いかを確認して、「消去したり」「残したり」の判断をしよう。
B
本文中に直接記載が無いが「本文中に書かれている内容から導き出せるもの」。記述問題の正答としては不十分(おそらく採点されない可能性が高い)である。しかし、確実に不正解とされるべき箇所が存在していないため、有効となる。いわゆる「間違いとは言い切れない選択肢」。超有能な問題作成者が手間と時間をかけて作った(と思われる)「間違いではないぎりぎりを攻めた選択肢」。とりあえず「保留」してあまり考えないようにましょう。
消しきれない2択「A」と「B」の対処法
「B」に手を出してはいけない。これの正誤を判断するのは至難であるし、そもそも時間が無い(時間があっても無理かも)。
よって、「A」の「言い過ぎ」「キズ」が有るか無いかに全力を注力しよう。
「Aに明確なキズなどがある」→「Bが〇」、「Aにキズなどが無い」→「Aが〇」
また。最後の問題「多数の選択肢から2つの選択肢」を選ぶ場合。
「A」(不正解)と、「正解」と。「B」(正解)が混在している可能性が高いので、消去法の5つのコツ「書いていない」「反対」「ズレ」「言い過ぎ」「キズ」を総動員して何とか消去していきましょう。恐らく、「言い過ぎ」「キズ」のない「正解」に〇が付き、「B」以外に✖が付くはずです。「B」が残せない人は焦りすぎているのかもしれません。きっちりと「保留△」する癖をつけましょう。
他の選択肢を吟味しない「即答法・直答法」の落とし穴
本文をちゃんと読めていて、選択肢を見る前に「自分で正解を出せる」ことはとても重要です。そのほうが圧倒的に速く解答ができますからね。
しかし、その自分で自信をもって出した解答が「正解であったり、不正解であったり」あるいは「選択肢に無い」場合があるはずです。
時間短縮のために他の選択肢をよく吟味しないで正解に〇をつける「即答法・直答法」は危険です。現代文が読めるようになったのに、センター型の点数が伸び悩むのは「即答法・直答法」が主な原因です。
「現代文が読める人をひっかけるために作られた問題」(3章で更に詳しく説明します)に見事に引っ掛かっているわけです。
きちんと他の選択肢を吟味したり、自分が選んだ選択肢に「言い過ぎ」「キズ」が無いかを本文中の記述を見ながら確認したり、よく分からない選択肢を「保留」(Bの可能性が高い)したりしましょう。
作業量は多くなりますが、今よりもっと安定して高得点が狙えるようなると思います。
この章をまとめ
・「言い過ぎ」「キズ」で残り2択を解きましょう
・A「ひっかけ選択肢」と、B「間違いとは言い切れない選択肢」が存在する
・Aには確実に不正解とされるべき箇所が「存在している」
・Bには確実に不正解とされるべき箇所が「存在していない」
・Aは「言い過ぎ」「キズ」が無いかを確認して、「消去したり」「残したり」の判断をしよう
・Bは無理やり消去せず、とりあえず保留しよう
3.「2択に絞れる人」の2つのタイプと勉強法「本文が読めてない人」「読めてるけど引っ掛かる人」
「2択に絞れる」と言う人の2つのタイプ「本文が読めてない人」「読めてるけど引っ掛かる人」
受験の時期が近くなると、私は受験生と一緒に同じ問題を解き、解答者の立場に立った「読解法」や「解き方」のプロセスを見せるようにしています(模範解答を片手に、後出しでそれっぽいことを言ったりするのは私の流儀ではありません)。
その時「2択にまでは絞れるんですけどねー」とほとんどの生徒さんは言います。しかし、残っている2つの選択肢が、①「私と全く違う生徒さん」と②「私と大体同じ生徒さん」に分かれます。
この2者は「2択にまで絞れる」ことは同じですが、内容がまるで異なります。①は「本文が読めてない人」で、②は「読めてるけど引っ掛かる人」です。
この2つのタイプによって、「指導方法」や「自学自習でやるテキスト」などがまったく異なるので、この章ではタイプ別の勉強法について記述していきたいと思います。
「2択に絞れる人」の2つのタイプ
「本文が読めてない人」
特徴:平均点が「6割以下」。正解を消してしまっている人。
勉強法:「選択肢を見る前に自力で正答を出せる」ことを目標にしましょう。そのためには現代文を読むための基本の読解フォームを身に着けることが先決です。じっくりと「筆者の主張」「登場人物の心情やその変化」を読み取る訓練をしましょう。自分のレベルにあった演習問題のテキストを「2回以上」解いて、「読解法」や「解法」を身に着けましょう。正答のあたりが付くようになるまでにしましょう。
教訓:格闘すべき相手は「筆者」や「本文」そのものである
「読めてるけど引っ掛かる人」
特徴:平均点が「7割以上」。2択の中に正解を残せる人、
勉強法:「自分の間違える癖を把握しましょう」。そのためには自分が受ける試験(センター型や私立)の過去問を解きましょう。Aを「言い過ぎ」や「キズ」消すことのできない「ぼんやりさん」、Bを「保留」することができず無理やり消してしまう「あわてんぼう」な自分を直しましょう。
教訓:格闘すべき相手は「問題作成者」や「自分」である
重要なことは「取り違えないこと」です。自分が「本文が読めてない人」と「読めてるけど引っ掛かる人」とのどちらの段階にいるのかを「取り違えないこと」。格闘すべき相手を「取り違えないこと」。これらを「取り違える」と何の成果も上がらず大変なことになります。
「取り違えない人」は聡明な人だと思います。なぜ「取り違えないこと」をここまで連発するかというと、いくら学力や知能があろうとも「取り違える人」が結構な割合でいるからです。ここまで書いても取り違える人は、やっぱり「取り違えて」しまいます。
教訓:「彼」を知り「己」を知れば百戦あやうべからず(孫子)
「本文が読めない人」に必要なのは「解答テクニックではない」
「本文が読めてない人」に該当する人は、
「本文を読まずに、選択肢の特徴だけ見て正解できる」とか「消去法で9割!センター攻略法」とかのブログ記事を読むのはやめましょう。
確かに、書かれていることは正しい(間違ってはいない)のですが、「本文が読めてない人」が実践してもあまり効果が上がりません(「やらないよりは少しはまし」って程度)。
この段階にいる人がやるべきことは「筆者の主張」や「登場人物の心情やその変化」を読み取れるようになることです。
目安は「選択肢を見る前に設問に対する自分なりの解答を導き出せる」=「解答のあたりをつける」ことができるまでです。
現代文の基本はやはり、正しい読み方の「型やフォーム」をきっちりと身に着けることです。本文から「筆者の主張」や「登場人物の心情やその変化」を読み取ることなのです。
そのためには、「接続詞」で文章で書かれてある対比構造を見抜いたり、「傍線部にある指示語」が何を指しているのかを明らかにしたり、小説文なら登場人物の心情の根拠となっている「セリフ」「行動・身体的変化」「心象風景や場面」をきっちりとマークしなければなりません。
時間がかかるとは思いますが、腰を据えてじっくりと取り組みましょう。
★現代文の「勉強法」に悩んでいる人・「参考書」を探している人はこちら★
第1回「現代文ができない3つの要因」
★腰を据えてじっくり取り組みたいと思われた人はこちら★
第2回「小説文の読み方」
第3回「論説文の読み方①接続詞」
第4回「論説文の読み方②指示語」
「本文が読めている人」の戦うべき相手は「問題作成者」と「自分」
図1を見て下さい。数学で習う「正規分布」です。
センター型の試験はこの「正規分布」に近くなるように問題は作られています(明言はされていないと思いますが、まず間違いなく)。
そのため、センター型の問題は以下の3つをバランスよく配置しています。
「問題作成者」が「正規分布」に近づけるため用意する3タイプの問題
簡単な問題(正答率の高い問題)
普通の問題(正答率が中くらいの問題)+
難しい問題(正答率の低い問題)
図1の①、②、③の解説
①にいる人=得点が低い人
「簡単な問題」は正解したり間違えたりする
「普通の問題」「難しい問題」は解くことができない
②にいる人=得点が平均に近い人
「簡単な問題」は解くことができる。
「普通の問題」は正解したり間違えたりする。
「難しい問題」は解くことができない。
③にいる人=得点の高い人
「簡単な問題」「普通の問題」は解くことができる
「難しい問題」は正解したり間違えたりする。
センター型試験は様々な学力の人が一斉に受ける試験です。1回の試験で「学力の低い人」が①に、「平均的な人」は②に、「学力が高い人」が③になるように振り分けることのできる「検定力が極めて高い試験」です。このような問題を作ることのできる「問題作成者」ははっきり言って相当優秀です。
逆に、実力のない人が③になったり、実力のある人が①になったりする試験は正しくない試験です(私立の現代文の問題はこういうのがあったりします)。このような「問題作成者」は優秀ではありません。今回は私立型選択問題を取り上げません。
センター型試験がこのような性質で作られているということを念頭に置いて、「問題作成者」が「難しい問題」をどのような意図をもって作っているのかを考えていきましょう。
優秀な「問題作成者」が作る「難しい問題」の特徴
・後半に多く、配点が高いように配置してある。(検定力を上げるため)
・「上位の人(③)」と「もっと上位(③よりもっと右)」の人を分けるために作っている。
・正答率が低くなるように、「正解させない」ように作っている。
・時間的圧迫をかけるため、「まぎらわしい」選択肢を配置する。
「正解させない」「まぎらわしい」選択肢
・A=要点がよくまとまっているが、「確実に不正解とされるべき箇所(言い過ぎ)(キズ)」が存在する問題」を配置する。(ひっかけ選択肢)
・B=直接記載が無いが「本文中に書かれている内容から導き出せるもの」を配置する。(ギリギリ間違えとは言い切れない選択肢)(ちゃんと保留しましょう)
正規分布の代表値(平均値、中央値、最頻値)が一致するのが望ましい。しかし、近年の平均値は中央値(100点)よりも高い。よって、平均値を下げるためもっと難しくしよう(これは私の根拠のない予想です。でもこの傾向は続くでしょう)。
はっきり言って「難しい問題」を解くということは、「筆者の主張」や「登場人物の心情やその変化」を読み取り、「自分なりの言葉で表現できる」という現代文の本質からズレていると思います。だから、2021年の「大学入学共通テスト」で国語の記述式の導入をしようとしたのでしょう(結局されませんでしたね)。
しかし、これから試験に臨む皆さんはそうも言ってられないと思いますので、優秀な「問題作成者」との知恵比べをしているんだという認識で、「言い過ぎ」「キズ」「保留」の練習を過去問を使ってやっていきましょう。
最後に、
「細かいことはあまり気にしない」「あまり神経質ではない」「非常におおらかな」「ぼんやり」な性格の人や、
あるいは逆に「せっかち過ぎる」「神経質すぎる」「選択肢を最後までちゃんと読めていない(ことがある)」「あわてんぼう」な性格の人は
「難しい問題」に引っ掛かりやすいと思いますので、「自分」の特徴をちゃんと把握して対策を取りましょう。
「自分」の引っ掛かり方を把握しよう
「ぼんやり」タイプ
特徴:A=要点がよくまとまっているが、「確実に不正解とされるべき箇所(言い過ぎ)(キズ)」が存在する問題」(ひっかけ選択肢)によく引っかかる。
対策:正解だと思って〇をつける「即答法・直答法」はやめて、他の選択肢を吟味しましょう。次に正答と思われるものに「言い過ぎ」「キズ」が無いかをちゃんとチェックするようにしましょう。
「あわてんぼう」タイプ
特徴:B=直接記載が無いが「本文中に書かれている内容から導き出せるもの」(ギリギリ間違えとは言い切れない選択肢)によく引っかかる。
対策:自分の判断で「細かい違い」で消去することなく、他の選択肢を見て相対的に判断しましましょう。間違っていると言い切れない選択肢をちゃんと「保留」しましょう。
頭のいい人の特徴の1つとして「細かい間違いを修正して、脳内で正しく補完できる」「細かい間違いをスルー出来て、本質だけを抽出できる」ということが挙げられます。
日常生活ではコミュニケーションがスムーズにいくので、とてもいい能力であると思います。しかし、センター型試験の「難しい問題」ではこの能力が仇になってしまいます。
過去問を解く練習をして「自分」の間違え方をしっかり把握しましょう。
この章をまとめ
「2択に絞れる人」は「本文が読めてない人」「読めてるけど引っ掛かる人」に分かれる
「本文が読めていない人」→「格闘すべき相手は「筆者」や「本文そのもの」である」
「読めてるけど引っ掛かる人」→「格闘すべき相手は「問題作成者」や「自分」である」
「本文を読めていない人」
自分のレベルにあった演習問題のテキストを「2回以上」解いて、「読解法」や「解法」を身に着け、正答のあたりが付くようになるまでにしましょう。
「読めてるけど引っ掛かる人」
過去問を解いて、優秀な「問題作成者」の作った「難しい問題」にひっからないようにしよう。また、ひっかかりやすい「自分」を把握して対処しよう。
最も重要のことは「取り違えない」ことである。
「いくら勉強しても国語が出来るようにならない」生徒さんのための「国語のオンライン個別授業」開講
「国語のオンライン個別指導」が始まりました。
国語ができなくて、受験前から諦めかけているご家庭のためのサービスです。遠方のご家族から寄せられたご要望により開講いたしました。
★現代文、古文、英語の勉強法をまとめた記事はこちら★
国語、英語の読み方、解き方、勉強法や参考書、問題集の紹介
前回:現代文(第4回)「論説文の読み方②指示語」
次回:現代文(第6回)「『抽象』と『具体』で必要な所だけ抜き出し解答する方法」
以上で、第5回「選択問題の解き方『消去法の5つのコツ』(センター試験タイプ)」は終わりです。
ご精読ありがとうございました。
今回取り扱った「消去法の5つのコツ」はセンター型選択問題得点するには欠くことのできない重要な技法です。ただし、絶対ではないことはここまで読んで頂いた方なら理解できると思います。自分の段階に応じてするべきことを繰り返していって下さい。そして「決して取り違えないでください」。そうすれば必ずうまくいきます。
次回は第6回「記述問題の解き方」にする予定ですので、よろしければ、次回も読んでいただけるとありがたいです。